異邦戦艦、鋼鉄の凱歌 の商品レビュー
後の戦力とするため船体を国外で戦艦(という名の巡洋艦)を建造。開戦に合わせて奪取。そして敵戦艦を撃破。実にロマンあふれる展開だが林の手にかかるとロマンのままでは終わらない。”著者の言葉”によれば日本の武器輸出がテーマらしいが”運用”が本当のテーマだろう。確かに軍縮条約をいかにし...
後の戦力とするため船体を国外で戦艦(という名の巡洋艦)を建造。開戦に合わせて奪取。そして敵戦艦を撃破。実にロマンあふれる展開だが林の手にかかるとロマンのままでは終わらない。”著者の言葉”によれば日本の武器輸出がテーマらしいが”運用”が本当のテーマだろう。確かに軍縮条約をいかにして逃れるか、海外での建造を正当化するためには?といった武器輸出にかかわることも書かれているが、外洋に出てたあとは運用に絡めた物語が展開している。運用がテーマと分かるのは乗務員配置にダメージコントロール、そして部隊運用が細かく書かれているからであり、極めつけは『順を追って説明できるなら運用は成功』。これこそまさに運用を示す言葉。運用を上手くやれば戦艦の砲撃を受けても継戦能力を維持できるし、逆に戦艦であっても巡洋艦を相手に苦戦する。運用の重要性をうまく組み込んでいた。当時、これができていれば最終結果は同じでも途中経過は大きく変わっていたのではないかと思う。
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