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関釜連絡船(下) の商品レビュー

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2023/05/26

1905年から1945年まで就航していた関釜連絡船は当時の日本と朝鮮の関係を象徴する 日本からの解放と南北分断、突然の朝鮮戦争にみまわれた東京留学生だった柳泰林の教養は深いが、それゆえに傍観者的である。 『利口ぶっていただけで本当は卑屈だったんだ』と 友人の李に言う。 李にとって...

1905年から1945年まで就航していた関釜連絡船は当時の日本と朝鮮の関係を象徴する 日本からの解放と南北分断、突然の朝鮮戦争にみまわれた東京留学生だった柳泰林の教養は深いが、それゆえに傍観者的である。 『利口ぶっていただけで本当は卑屈だったんだ』と 友人の李に言う。 李にとっては柳は息子を溺愛する富豪の父をもつ青年の発言としか受け取れないのだろう。 李は生活者であり友に誠実だが老いた母を苦しませたくない真心と生き残ってゆく本当の知性がある。 昨今のK文学とほ全く違う語りにくい歴史の記憶を膨大な著者の読書と教養から生まれた作品となっている。 心に残った場面は、李先生の母親とソ・ギョンエが食事を一緒にとり会話したところ。 温かな気持ちがした。

Posted byブクログ