小説ライムライト の商品レビュー
本書はチャップリンが著した小説と、チャップリン研究の世界的第一人者であるデイヴィッド・ロビンソン氏による解説部分で構成されています。 もちろん小説の方は、映画〝ライムライト〟の原案となったものですが、映画では語られなかったテリーの不幸な生い立ちや、短編〝カルヴェロの物語〟では、彼...
本書はチャップリンが著した小説と、チャップリン研究の世界的第一人者であるデイヴィッド・ロビンソン氏による解説部分で構成されています。 もちろん小説の方は、映画〝ライムライト〟の原案となったものですが、映画では語られなかったテリーの不幸な生い立ちや、短編〝カルヴェロの物語〟では、彼がなぜ落ちぶれて酒びたりになってしまったのか、その過去が明らかになっています。そのほかにも、映画ではカットされてしまったお話が盛りだくさん。 映画〝ライムライト〟は、1916年に最初のアイデアが生まれ、1930年代から構想が練られはじめています。そして映画の完成が1952年。チャップリンが完璧主義だということはよく知られたことですが、この映画は構想から完成まで、実に長い年月を要しています。小説は映画〝ライムライト〟の構想の最終段階として書かれたものですが、それでも何度も手直しされ、映画撮影後も編集段階で試行錯誤が繰り返されています。 デイヴィッド・ロビンソンによる解説では、映画の制作過程や、チャップリンがまだ舞台に立っていたころのロンドンの劇場事情などが詳細に綴られています。この解説によって、チャップリンがどういう思いで〝ライムライト〟を撮ったのかということが、さらに深く理解できました。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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小説とはいいながら、ライムライトが完成するまでの制作プロセスが垣間見える一冊。とくに、これはというギャグ、会話、舞台の動き等々は、この段階ですでに映像としてチャップリンの頭のなかで完成されているのが窺われて、まことに興味が尽きない。
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