中国の誕生 の商品レビュー
「朝貢」とか「属国」とかいった、これまで分かったようでよく分からなかった概念が、史料に即して丁寧に説明されていて、大変良く理解できた。
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清朝の体制から「中国」というネイションの成立に転換する過程を、対外秩序の視点から明らかにすることを目的とし、対外関係にかかわる「朝貢」「互市」「属国」「領土」「主権」など、当時の漢語概念に着目し、時系列的な変遷を明らかにしている。ヴェトナム、朝鮮、チベット・モンゴル等をめぐる動向...
清朝の体制から「中国」というネイションの成立に転換する過程を、対外秩序の視点から明らかにすることを目的とし、対外関係にかかわる「朝貢」「互市」「属国」「領土」「主権」など、当時の漢語概念に着目し、時系列的な変遷を明らかにしている。ヴェトナム、朝鮮、チベット・モンゴル等をめぐる動向が事例として取り上げられている。 「朝貢」「互市」に代わって「条約」、「属国」「藩部」に代わって国内の「領土」・対外的な「主権」という概念が確立した過程を跡づけ、「中国」というネイションが、はじめて観念と政治の上でできあがった歴史を示している。 本来、西洋由来の国際法や国際関係の範疇になかった清朝の対外秩序が、西洋の国際法や国際関係の中にいかに(無理をして)位置づけられるようになったのかがよく理解できる。その無理が現在の東アジア情勢の混迷の一因になっているようにも感じた。
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とにかく難解であった。が、読み返す度に発見がある。 索引読みを何度も繰り返したい。 そして、そのうちに、中国の領土概念、主権概念がどのように形成されてきたのか、具体的な資料をもとに理解できると思う。そしてその理解は、これからの国際社会はどうなるのかを考える一助となると考える。 で...
とにかく難解であった。が、読み返す度に発見がある。 索引読みを何度も繰り返したい。 そして、そのうちに、中国の領土概念、主権概念がどのように形成されてきたのか、具体的な資料をもとに理解できると思う。そしてその理解は、これからの国際社会はどうなるのかを考える一助となると考える。 でも、難解で重たい。覚悟が要る。
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