未分割申告の税実務 の商品レビュー

トゥモローズ(著者)

2017/01/29

遺産が未分割となった場合の相続税実務について解説した書籍。筆者は相続専門の税理士事務所で知られる税理士法人チェスターの元専務役員。遺産分割調停・審判の件数は30年前の2.5倍程度に増えており、家庭裁判所の新受件数としても年間1万5000件を超えている。この数値はあくまで家庭裁判所にて調停・審判に発展した件数であり、調停・審判に発展しない遺産分割争いの件数は「その10倍はある」と実務ベースではいわれているそうだ。本書はそのような相続争いとなってしまった場合の相続税実務について、特に留意すべき点が解説されていた。非常にマニアックな論点ばかりで、自分の理解不足かも知れないがよく理解できない部分もあったが、総じて良書の部類に入ると思わせる意欲作。
P119
「相続させる」の場合には、相続人が単独で登記申請が可能となり（不登63②）、「遺贈する」の場合には、他の共同相続人と共同で登記申請をしなければなりません（不登60）。
「相続させる」の場合には、賃貸人の承諾が不要となり、「遺贈する」の場合には、賃貸人の承諾が必要となります（借地借家19、民612①）。