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藤沢周平のこころ 完全保存版 の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2017/08/20
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※このレビューにはネタバレを含みます

直木賞受賞作暗殺の年輪、針の光、大はし夕立少女、白い顔の短編を掲載 第69回直木賞選評は、結構辛辣な意見もあり、選者も大変だったことが読み取れる

Posted byブクログ

2017/05/16

一冊まるごと藤沢周平。文春はもう何冊も藤沢周平特集を作っているはずなのだが、汲めども汲めども尽きぬ源泉が藤沢周平なのだな、と再認識した。新たな発見多し。 おそらくファンには高値でついていたであろう、直木賞受賞作時の「オール讀物」1973年10月号から多くの記事を再掲していた。 ...

一冊まるごと藤沢周平。文春はもう何冊も藤沢周平特集を作っているはずなのだが、汲めども汲めども尽きぬ源泉が藤沢周平なのだな、と再認識した。新たな発見多し。 おそらくファンには高値でついていたであろう、直木賞受賞作時の「オール讀物」1973年10月号から多くの記事を再掲していた。 まだバリバリの業界誌編集者だった頃の、「普通人」藤沢周平の矜恃みたいなものが、当時のインタビュー記事から垣間見える。 日教組を話題にしたら、「ハイ、支持しています。操のようなものです」完全な明言だった。ほおがしまって、「3年ぐらい前に、渡辺操先生という方が、火の中の子どもを助けにもどっていってなくなりましたね」目が光った。「あれです。現場の先生にはかなわないという気持ちがあります」(63p) ー部下には厳しいか? 「ヤ、それが」(少し閉口)「甘くて、ダメです。ほんとうに」(略) ーサラリーマンの厳守事項は? (またばきしてから)「時間ってものを、きちんとすることでしょうね」(略) ー好きなペット? (きっぱり)「ありません」(感傷的でなく)「いまは、生きものがこわいんです。命のもろさが」 ーもし、娼婦にぞっこん惚れられたら? (ごつい顔で)「誠意をつくすしかないですね」(65p) これらの言葉にコメントすべきことがあまりに多くて省略する。 藤沢周平は、ほとんど現代社会に対して発言しなかった。1993年の城山三郎との対談では、わりと思い切ったことを喋っている。これもコメントし始めるとキリがないので省略する。 私の数少ない好きな女流作家の「藤沢周平ラブ」の記事が三本(あさのあつこ対談、上橋菜穂子エッセイ、宮部みゆき評論)あったのも嬉しかった。 確かに「完全保存版」だと思う。 2017年5月14日読了

Posted byブクログ