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幽/花腐し の商品レビュー

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2019/10/30

『名誉と恍惚』でこの作者にはまったのだが、本作はその初期の作品集。その『名誉と恍惚』に比べると難解といえば難解なのだが(以前読んだ『不可能』もそうだった)、何とも言えぬ魅力があって、たとえていうなら、何か生ぬるいものになぶられつづけらるような(少しアブノーマルな表現だが)、現実世...

『名誉と恍惚』でこの作者にはまったのだが、本作はその初期の作品集。その『名誉と恍惚』に比べると難解といえば難解なのだが(以前読んだ『不可能』もそうだった)、何とも言えぬ魅力があって、たとえていうなら、何か生ぬるいものになぶられつづけらるような(少しアブノーマルな表現だが)、現実世界では体験しえない、得も言われぬ感覚を味わうことができる。というか、強制的に味わわせられると言った方がいいか。この著者の独特の言語の使いようが、おそらくそうした独特のものを醸し出し、なんだか癖になってしまう、不思議な作家です。

Posted byブクログ