わたしたちが自由になるまえ の商品レビュー
ドミニカ。 中南米に独裁国家がたくさんあって自由を求める戦いがあったことはおぼろに知っていたけれど、 とてもすばらしかった!
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独裁者トルヒーヨ暗殺前後のドミニカ共和国。 アメリカの女の子は「Sweet Sixteen」16歳から大人ですが、中南米ではキンセアネーラ、15歳だそうで。盛大なパーティーとは言え、トルヒーヨが直々にお祝いに来る…?って、好みの子なら差し出せと。悪代官か⁈ 11歳の女の子目線なので、生々しい描写はない。けれど、思春期直前の女の子には、大人達の見せまい見せまいとする努力が、寧ろ知らされない不安に繋がり、胸が痛む。安直に「中南米版・アンネの日記」で片付けたくない。 この5月(2018年)に、中国と国境樹立、台湾と国交断絶したドミニカ共和国。イスパニョーラ島の東部2/3を占めて、元仏領のハイチとも複雑な歴史を持つ。 戦後日本からの移民問題で、小泉元首相が賠償したのが記憶に新しいけど、更に小さな「ドミニカ国」の存在もあり、国際社会でのアピールは中々難しそう。
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1960年、トルヒーヨ独裁下のドミニカ共和国。11歳の裕福な家の娘アニータは、親戚たちと同じ敷地内に住んでいたが、一人また一人とアメリカに移住し、最後には仲良しのいとこたちも旅立ってしまった。その翌日、秘密警察がやってきて自宅を荒らし、その後は始終家の周りにいて見張るようになった。事情が呑み込めないまま恐怖だけがつのるアニータは、姉から事情を聴いて驚く。それは、父と叔父とが、大統領暗殺計画に関わったためだった。 独裁化のドミニカで、生き延びるために奮闘する反政府組織の家族と、それを助ける人々の姿を、少女の語りで描く。 ドミニカ版「アンネの日記」風の場面も。 翻訳のせいなのか、原文からなのか、文章に理解しにくい点が散見する。アニータが情報不足で混乱していたためでもあるのだろうが、それを除いてもわかりにくい。 特に、浴室で日記を書きながら泣いていたらおばさんに浴室に引っ張って行かれたしなめられた(201頁)とか、故郷に自由が戻ったのち、ドミニカのオスカルからの手紙を浴室にこもって読んだ時に「マンシーニ家の浴室に隠れて日記を書いていた、あの不安な日々にそっくりだった」(280頁)とか。 ラテンアメリカ全体では1972年まで、民主主義国家は3つしかなかったそうです。 反政府組織に関わっていた父親を持ち、秘密警察がやってくる直前に家族で国を離れた経験をもつ著者の、これは「証」の書です。 事実を広く知らしめる役割の点では評価できますが、読み物としてはちょっと残念です。 やっぱりっこういうものはノンフィクがいいのかも知れませんね。
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独裁政権下のドミニカ共和国の最後の1年を12歳の少女の視点で描く。 6年生が世界の国々を学習する際にブックトークなどで紹介したい。
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2017.2.6 教育は鍵であるとの言葉をアニータのお父さんは何度も口に出していた。独裁政権の中で闘ってきた人たちのことを私たちは知らなくてはならない。また忘れてはならない。
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