乱丸 人 の商品レビュー

宮本昌孝(著者)

2017/02/12

　光秀のうちに兆した翳りに気付いた乱丸は、光秀とイエズス会の動向を探り始めていたが、ついに運命の日を迎えてしまう。

　結末は誰でも知っている本能寺の変ですが、そこに至るまでの謎を乱丸が探っていくというミステリーのような展開が新鮮でした。

　乱丸を取り巻く一人一人が本能寺の変に向かって巻き込まれていく様はなかなか読みごたえがありました。

　己の強い信念のもと、天下布武のために孤独を感じながらも推し進めていくことができたのは、乱丸をはじめとした近習衆の存在が大きかったのではと考えさせられます。

　信頼できる上司のために尽力する部下たちの力、まさに今の企業にも求められる理想像を見た気がしました。