黒書院の六兵衛(上) の商品レビュー
幕末のメインイベントである江戸城開城に難題が出た。幕臣が江戸城に一人で籠城をはじめる? 誰なのか?何の目的なのか?を浅田次郎氏風の軽快なタッチで描く。 上巻では、あの手この手で作戦を周りは考えるが、何も進展しないまま、引き渡し日に近づいていく。
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江戸幕府の組織やそこで働く旗本や御家人たちを現代の会社組織や会社員に置き換えて、深く頷きながら読む。そして六兵衛はどうして動かないのか。ミステリーである。
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江戸城無血開城の裏に、このようなドタバタがあった……としても、さもありなんという小説。上巻では六兵衛の正体と真意は判らず。尾張藩徒組頭の加倉井隼人を狂言回しに、江戸城西の丸での、官軍と旧幕臣とのやりとりを紡いでいく。特に西の丸の中に入ってから、殿中を進む際の光と影の描写が、現代の...
江戸城無血開城の裏に、このようなドタバタがあった……としても、さもありなんという小説。上巻では六兵衛の正体と真意は判らず。尾張藩徒組頭の加倉井隼人を狂言回しに、江戸城西の丸での、官軍と旧幕臣とのやりとりを紡いでいく。特に西の丸の中に入ってから、殿中を進む際の光と影の描写が、現代のような照明のない建物内の雰囲気をありありと感じさせるものだった。そこに端然と居座る六兵衛の不気味さをも良く表現している。
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R4.2.19~3.12 (感想) 舞台設定はいいのですが、進行が少々遅く登場人物も何か物足りない気がします。
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日本的な身過ぎ世過ぎの染み付いた登場人物たちの中に、梃子でも動かない謎の男。 なぜ自分が抜擢されたのかもわからない大役を拝命した主人公が、真摯に中間管理職を全うする姿が良い。 ユーモアもたっぷりで、声を上げて笑う場面もある。 下巻が楽しみ。
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無戦開場が迫る江戸城。 上野のお山へ最後の戦いを迎えに行くわけでもなく、逃亡するわけでもなく、城内に無言で居座る的矢六兵衛。
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(上下巻共通) いまいち、感情移入をすべき人が見当たらない印象。 当事者の考え方はわかるんだけれど、売りがわからないっていうかね。(^^; 最後の武士の矜持を主題とみるべきだとは思うんだけど、どちらかというとドタバタ喜劇的な感じもするしなぁ。
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六兵衛とは何者だったのか。江戸から明治へ、価値観、信義、モラルがなくなり何もかもがひっくり返るときの、最後の良心。
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幕末、江戸城明け渡しの為に官軍の先入りとしてやってきた尾張藩士加倉井隼人。彼が城内で見たのは六兵衛という黙してただ座っている侍だった。彼は、少しずつ位の高い人の部屋に移動し最後は黒書院。つまり、将軍様の部屋まで入り込む。その六兵衛を何とか穏便に出て行ってもらおうと奮闘努力する物語...
幕末、江戸城明け渡しの為に官軍の先入りとしてやってきた尾張藩士加倉井隼人。彼が城内で見たのは六兵衛という黙してただ座っている侍だった。彼は、少しずつ位の高い人の部屋に移動し最後は黒書院。つまり、将軍様の部屋まで入り込む。その六兵衛を何とか穏便に出て行ってもらおうと奮闘努力する物語なのである。その六兵衛を探索しているうちに、彼が金で身分を買った人間とわかるが、彼は実に武士らしき男であった。逃げたりやけになって戦場に行く幕臣の多い中、どうして彼はそこに座っているのかという物語だ。
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面白かった。しかし、ちょっと消化不良です。 江戸城明け渡しが決まった中、一人だけ居座り続ける御書院番士、的矢六兵衛。 彼をめぐるミステリー仕立て?の展開となっています。 上巻では江戸城明け渡しが決まり、その開城手続きのため、官軍先遣隊長として、尾張徳川家の徒組頭の加倉井が送り込...
面白かった。しかし、ちょっと消化不良です。 江戸城明け渡しが決まった中、一人だけ居座り続ける御書院番士、的矢六兵衛。 彼をめぐるミステリー仕立て?の展開となっています。 上巻では江戸城明け渡しが決まり、その開城手続きのため、官軍先遣隊長として、尾張徳川家の徒組頭の加倉井が送り込まれます。 勝安房守に伴われて見たものは、無言で居座り続ける一人の御書院番士の的矢六兵衛。 力づく、腕づくで引きずり出してはならぬという命のもと、天朝様のご到着までに六兵衛を説得して退城させなければならない事に。 六兵衛とは何者? なぜ、居座るのか? どうしたら退城させることが出来るのか? といった話の展開です。 六兵衛の素性を知るための語りが、登場人物からの一人称語りとなる手法で、物語に引き込まれます。 徐々に明らかになる六兵衛の正体は、的矢家を買った人物。家族だけが入れ替わり、周りはそれを不思議とは思いながらも黙認して、そこに至っています。 さらに深まる謎で、なぜ、的矢家を買ったのか?そして、その正体は? はたまた、六兵衛を退場させるために、さまざまな人物が説得にあたりますが、やはり動きません。 さてどうなる?といったところです。 話の展開が進む中で、江戸末期の武家のつらい姿が垣間見れます。
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