井伊家の教え の商品レビュー
彦根城に行った後、彦根藩の歴史が知りたいと思い、こちらの本を手に取りました。 田原さんは、彦根市の出身です。 「帰省時、車中から見えてくる彦根城の天守閣が視界の中で次第に大きくなって流れていく景色は、帰ってきたという安堵感を与えてくれる」 という記述にあるとおり、この本からは、彦...
彦根城に行った後、彦根藩の歴史が知りたいと思い、こちらの本を手に取りました。 田原さんは、彦根市の出身です。 「帰省時、車中から見えてくる彦根城の天守閣が視界の中で次第に大きくなって流れていく景色は、帰ってきたという安堵感を与えてくれる」 という記述にあるとおり、この本からは、彦根の人にとって、彦根城、そして井伊家が、街の象徴以上の、特別な存在であることがわかります。 (私は、高速から高井戸の焼却炉の煙突を見ると、帰ってきたなあ…と思います。なんて風情がないのでしょう…) 彦根城の隣には、そのルーツを彦根藩の藩校にもつ、彦根東高校があります。 田原さんは、この高校の出身です。 「どんな人にも臆せず、聞きたい話を、誠実に、ストレートに聞く」という田原さんの、仕事に対する姿勢は、井伊の赤鬼魂から来ているといいます。 井伊の赤鬼魂とは、井伊直政が、関が原の戦いで、徳川の先鋒隊を率いたとき、鎧や兜、旗をすべて赤くし、井伊の赤鬼と怖れられたことから、先駆者精神を意味します。 タイトルにある、彦根藩35万石はなぜ300年続いたのかの結論は、ジャーナリストの田原さんらしく、 現代にも通じるものがあると思いました。 戦国時代を生き抜くためには、どの大名と組むかが重要でした。現在、NHKの大河ドラマにもなっている、井伊直虎は、今川家に翻弄されましたが、直政を、家康の家臣にすることで、危機回避しました。そして直政は、家康の重臣となりました。田原さんは、それを現代に置き換え、自国だけで守れない日本は、どこと組んだらよいか…と投げかけています。 社内政治に忙しい、皆さんの会社でも、 心当たりがあるのではないでしょうか…。
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