負債論 の商品レビュー
負債論 貨幣と暴力の5000年
経済学で、これまで主流派によって当然の前提とされてきた「合理的経済人」の仮説ですが、すでにカーネマンやトベルスキーの検証によって、否定(或いは疑問を投げかけている)されているのは、ご承知の通りと思われます。その点を、人類学の観点から、実例を挙げて実証しようという、野心的な試みをし...
経済学で、これまで主流派によって当然の前提とされてきた「合理的経済人」の仮説ですが、すでにカーネマンやトベルスキーの検証によって、否定(或いは疑問を投げかけている)されているのは、ご承知の通りと思われます。その点を、人類学の観点から、実例を挙げて実証しようという、野心的な試みをしているのが本書なんでしょう。 人類学を専門としていない浅学の自分としては、的外れなのかもしれません。しかし、アマゾン川流域やアフリカ大陸等の少数民族が、例証のような生活を送っているからといって、昔っから、そのような生活が人間にとって一般的なのだ、普遍的なのだ、とは全く思えません。疑問や検証の余地なく思い込める、人類学者の疑いのない性善性って何だろう?辺境の地の太古の生活がモデルなんだろうか? 著者も注意を払っておられるように、根拠のない抽象化(や客観性)に注意を払っているように見えますが、ご自分のやっていることが、ご自分で批判されているそのものであることに、気がついているんでしょうか?ベストセラーになったようですが、「ブラックスワン」や「「リープフロッッグ」にもそのような傾向が見られます。これらも、キャッチィーなセンテンスを選ぶことが相変わらずお上手ですが、それ以外は、昔の歴史でよんだことなかったっけ?と思うことばかりです。これだけのことを伝えるのに、なんで、こんなページが必要なのか、理解できません。自分の知識や読書量の多さをひけらかしたのかな? それと、以文社殿!ちゃんと日本語を伝えることができないような輩 に翻訳をさせるべきではないでしょう。たとえ、外国語に堪能でも日本語ができない人に翻訳はムリです。何言っているのか、分らない文節が多すぎます。単語ごとの直訳では、分りやすい日本語にはなりません。読者が、いったいいくら払わされているのか、考えていただきたい。製本も脆弱だし!!! 誤訳、拙訳が多すぎます。よく、こんな訳で編集通しましたな!出版人の常識を疑います。
嘘つけないんだよね。
値段設定の正当性
グレーバー氏の本は厚いし、市場に出回っていないので、「正当な価格で買えるなら」と。ブックオフが示す価格になるのは仕方ないのかと思い、受け入れました。アデア・ターナー氏の「債務、さもなくば悪魔 ヘリコプターマネーは世界を救うか?」で、頻繁に引用されていたのは、たぶん皆さんご存じのこ...
グレーバー氏の本は厚いし、市場に出回っていないので、「正当な価格で買えるなら」と。ブックオフが示す価格になるのは仕方ないのかと思い、受け入れました。アデア・ターナー氏の「債務、さもなくば悪魔 ヘリコプターマネーは世界を救うか?」で、頻繁に引用されていたのは、たぶん皆さんご存じのことと思います。それくらい、内容は示唆に富み、読了に値するものです。 でも、ブックオフでは、レビューに「背がわれているかどうかとか、ページが割れているから読みにくいとか、本のページがバラバラになるかどうかは知りませーん」とか、アマゾンだったら「可」の評価を示すべき本が、なんのサジェスチョンもなく届きます。しかも、自分が買ったあとも、恥じらいやためらいもなく、売りに出しています。 「本の状態をきちんと評価せい!!古本商売人なら当たり前やん。」 自分自身が読んだら、どのように評価するか、もう少し親身になって価格設定をしていただきたいです。昔のブックオフオンラインなら、3000円でしょう。
嘘つけないんだよね。
メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1832564736485159114?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw
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負債をキーワードに、人類史や宗教史などあらゆる事柄を見通した歴史書のようなもの。 もう一回、哲学や人類学を学んだ上で読み直したい。
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毎日新聞で月に一度、最も辛辣でかつ私が最も信頼して止まない伊藤智永の現役最後のコラムで、『ブルシットジョブ』よりももっと面白いといって称揚していたのが本書、惜しいかな既に故人、デヴィッド・グレーバー著『負債論』である。
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2011年ウォールストリート占拠のスローガン「われわれは99%だ」をつくったグレーバーは、本書で国際的債務と消費者債務を帳消しにせよと訴える。と言っても、乱暴なアジテーションではない。負債やそれを巡る倫理感覚の拠って立つところを5千年遡行し、豊富な寓話を交えながら、それらひとつひ...
2011年ウォールストリート占拠のスローガン「われわれは99%だ」をつくったグレーバーは、本書で国際的債務と消費者債務を帳消しにせよと訴える。と言っても、乱暴なアジテーションではない。負債やそれを巡る倫理感覚の拠って立つところを5千年遡行し、豊富な寓話を交えながら、それらひとつひとつを丁寧に掘り崩していくのだ。 統制不能の破局が訪れる前に、われわれは民衆のひとりとして、歴史的な行為者になるべきなのだ、とグレーバーは語る。「わたしたちの旅の最初の一歩」はすべてを帳消しにして、再出発することにほかならないのだ、と。 本書は世界中にインパクトを与えたが、それは世界を想像し直すことをうながすという、ごく当たり前の方法を通してである。そして、それを真にラディカルな思考と呼ぶのだと思う。
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アナキスト人類学者による経済論だが、600ページもあって(原注がさらに200ページ!)読み通せるのか自信がないが、かといって斜め読みや訳者あとがきにある要約で済ませるわけにもいかないのは、作者が繰り出す潤沢な事例と饒舌な語りに浸ることこそが本書のなによりもの魅力だから。
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人の歴史経済にとって「負債」がどのように影響を及ぼしていたかを考察している本。 膨大な知識量でもってぶん殴ってくる内容で、「お金」とは「負債」とはといった事を深く考えさせられる本でした。 お金の起源は戦争等で雇った傭兵に支払うための報酬、それがもとで税金が起源だって話だったり、...
人の歴史経済にとって「負債」がどのように影響を及ぼしていたかを考察している本。 膨大な知識量でもってぶん殴ってくる内容で、「お金」とは「負債」とはといった事を深く考えさせられる本でした。 お金の起源は戦争等で雇った傭兵に支払うための報酬、それがもとで税金が起源だって話だったり、庶民はお金を使わないで経済活動やってる方が基本だって話だったり、貴族にとってお金≒恩賞≒名誉なのでお金を数字としてやり取りする商人は嫌悪対象だって話だったり、十字軍や新大陸で行われた虐殺は借金返済が動機(実行犯は金持ちになってない)って話だったり面白い話が盛りだくさん。 言い回しが遠回りだったり話があっちこっちに飛んだりとにかく分厚いと読みやすい本とは言い難いけれど、巻末に訳者による整理があるのでそれを参考に読んだりすれば読むのはそれほど難しくないと思う。必要なのは根気w
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
多くの経済学者は貨幣に関して物々交換の不便さを解決するためのツールというが、本書を読む限り歴史的にそれは正しくないということが分かります。昨今ではMMTに関する考え・著書が多く出回っているが、信用貨幣の『信用』とは何なのだろうか?という個人的な疑問を解決したくて本書を手にとりました。1つの解が国家が軍事力(徴兵)を集める為の負債であるということです。ここ数十年は世界規模の戦争が起こっていないのでピンとこないかもしれませんが、人間と国家繁栄の歴史と、ゴールドが貨幣の中心(ペグ)な存在だったことからも、この説は納得に値します。要は世界経済が危機に陥った時、ゴールドの価値が上昇するからです。 そして1971年に金本位制度が撤廃されて世界の通貨のペグは何なのか?信用貨幣の信用の基はなんなのか?の疑問に対して本書では、現在の世界経済は『米ドル本位制』と説いています。つまり米ドルを除いた国の貨幣創造量は、米ドルの発行量に対して上下していることを意味します。 これも通貨の負債が国家の軍事力増強のためにあったと仮定すると、理にかなっているのでしょうね。そして、米国が覇権国としての相対的な軍事力が低下してきている昨今、米ドル本位制の世界経済はどうなるのでしょうか? ここから先は、世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター創業者レイ・ダリオの頭の中にヒントがあると思っており、来年発売のChanging World Orderを楽しみにしたいですね。
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本文だけで600ページあったけど、「面白い!おもしろい。」と言いながら読んでしまった。 返却期限があったので100ページくらいある原注は読めなかったけど、次借りた時は注も読みたいな。 資本主義の後の世界について考えるためにとっても役に立つと思う。とにかく金持ちや政府などの支配...
本文だけで600ページあったけど、「面白い!おもしろい。」と言いながら読んでしまった。 返却期限があったので100ページくらいある原注は読めなかったけど、次借りた時は注も読みたいな。 資本主義の後の世界について考えるためにとっても役に立つと思う。とにかく金持ちや政府などの支配者層に任せてちゃろくなことにならんから自分でなんとかしなきゃと感じてる人は読んだらいいと思う。 スッキリするし元気が出てくる。
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