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野外鳥類学を楽しむ の商品レビュー

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2021/05/18

2015年に定年退職された立教大学の上田教授の研究室は鳥の研究のメッカ。現在若手や中堅で活躍している鳥類学者をたくさん輩出している。手とり足とり面倒は見ないし、やり方は押しつけないけど、何でも拒まず、昆虫やコウモリや植物を研究していた学生もいて、基本的に学生に研究プランやテーマを...

2015年に定年退職された立教大学の上田教授の研究室は鳥の研究のメッカ。現在若手や中堅で活躍している鳥類学者をたくさん輩出している。手とり足とり面倒は見ないし、やり方は押しつけないけど、何でも拒まず、昆虫やコウモリや植物を研究していた学生もいて、基本的に学生に研究プランやテーマをまかせ、自発的に違うテーマの学生たちもお互いの調査を助け合いながら学んで成長する。差し入れを持って学生の調査に顔を出して、当の調査している学生より先に鳥の巣を見つけてしまったりする、お人柄がしのばれる楽しい研究室風景が描かれている。それぞれの学生がどのようにテーマを選び、鳥の行動のどの部分に興味を持ち、追求していったか。うまくいったこともあるし、予定していた結果が出なくて方向転換することもあるし、でも研究って面白いと思わせる。 何十年も前に自分のいた某生態学研究室とちょっと雰囲気が似ていて懐かしさも感じた。あのころ私のいた大学には博士課程はなかったし、研究の面白さを知る前に中途半端にやめてしまったけど、この年になって思いもよらず論文を書いたりしている。生き物を観察しているとどこにでもテーマはあるし、最先端の技術を使わなくてもできることはある。もちろん最先端のGPSや次世代シーケンスとかバイオロギングもわくわくする。

Posted byブクログ