日本城郭史 の商品レビュー
古代から現代までにわたって城と言われているものを解説.私たちがイメージする天守閣は大阪城の天守を復元した時に通天閣の閣の字を使った固有名詞だったというのにはびっくり.城の象徴のような位置付けだけど,新しいんだ. 古来,土塁だったり柵だったりしたものが,東国や西国で違った発展をし,...
古代から現代までにわたって城と言われているものを解説.私たちがイメージする天守閣は大阪城の天守を復元した時に通天閣の閣の字を使った固有名詞だったというのにはびっくり.城の象徴のような位置付けだけど,新しいんだ. 古来,土塁だったり柵だったりしたものが,東国や西国で違った発展をし,中国や朝鮮の影響を受けたりして変化していく様子が面白かった.図面などもたくさんあってわかりやすかった.
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資料をさがしに県立図書館に行った際、本棚から「借りてくれー!」と言われた気がした(笑)ので一緒に借りてきた(吉川弘文館の本なんて、おいそれとは買えません)。 1回延長して、読了まで約1か月もかかってしまった。しかも同時に、新書の「観応の擾乱」も読んでいるものだから(こちらもまもなく読了予定)、頭の中がやや混乱したりw タイトルのとおり、日本の城について古代から近代までの通史で論じたもの。「城」という語彙の時代や地域による変遷、東アジアにおける都城制の影響、領主館と城郭との違いという論点、東北の柵・南西諸島のグスク・北海道の館やチャシなどの地域性、戦国期の城と城下町、織豊時代の城、天守の登場、石垣の変遷、天下普請、一国一城令、方形区画、五稜郭と龍岡城……などなど、軍事史学、考古学、文献学、建築学といったさまざまな方向からのアプローチを試みている。 分厚い本なのだが、まだまだ言及しきれていないところなど、もどかしい面もあるのだけれど、ほぼほぼお腹いっぱいです。 同世代の著者ふたりの研究には、深く敬服いたしました。
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とにかく重厚なお城の教科書。読むのに半年かかった。お城を単なる軍事施設としてでなく、政治の中心、権威の象徴、祭祀の聖域といった多様な観点から捉え、東アジアの「城」と日本の「城」の類似性から、日本国内の「城」の多様性まで、幅広く取り上げている。文句なく、現時点で一番の城郭本。史学(...
とにかく重厚なお城の教科書。読むのに半年かかった。お城を単なる軍事施設としてでなく、政治の中心、権威の象徴、祭祀の聖域といった多様な観点から捉え、東アジアの「城」と日本の「城」の類似性から、日本国内の「城」の多様性まで、幅広く取り上げている。文句なく、現時点で一番の城郭本。史学(特に中世史)を専攻する学生・院生には必読の書であろう。私のような素人が読んでも、読んだそばから頭から流れていってしまうのが悲しいところだが…。
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