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悟浄出立 の商品レビュー

3.8

73件のお客様レビュー

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    18

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2024/05/12

「鴨川ホルモー」をはじめとする万城目学氏の作品はいくつか読んだことがあり、面白い話を書く人、奇想天外なストーリーを書く人 というイメージだったが、本作はだいぶ違う。そして私好み。中国古典を題材に、深みのある内容、心に刺さるフレーズ、描写の巧みさ(スケール感、血腥さ、悲哀など)で、...

「鴨川ホルモー」をはじめとする万城目学氏の作品はいくつか読んだことがあり、面白い話を書く人、奇想天外なストーリーを書く人 というイメージだったが、本作はだいぶ違う。そして私好み。中国古典を題材に、深みのある内容、心に刺さるフレーズ、描写の巧みさ(スケール感、血腥さ、悲哀など)で、読み手の心を揺さぶってくる。

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2024/04/26

実は、私が"万城目学"の名を最初に意識したのはこの文庫本。パラパラと目次を見ただけで、中国古典が好きな人ならすぐに気付くタイトルがずらりと並ぶ。 1 「悟浄出立」 西遊記のメンバーの一人•沙悟浄を主人公とした物語。 2 「趙雲西航」 三国志の蜀の軍人•趙雲子...

実は、私が"万城目学"の名を最初に意識したのはこの文庫本。パラパラと目次を見ただけで、中国古典が好きな人ならすぐに気付くタイトルがずらりと並ぶ。 1 「悟浄出立」 西遊記のメンバーの一人•沙悟浄を主人公とした物語。 2 「趙雲西航」 三国志の蜀の軍人•趙雲子竜を主人公とした物語。 3 「虞姫寂静」 秦を滅ぼした項羽の寵姫•虞美人を主人公とした物語。 4 「法家孤憤」 秦の始皇帝暗殺未遂事件と法家思想政治の顛末の物語。 5 「父司馬遷」 史記の著書•司馬遷の娘から見た父の物語。 3〜5は史記が題材。どれもスピンオフ的な視点で物語が作られていて面白い。お薦めを一つ選ぶとしたら「虞姫寂静」。虞美人の秘めたるエピソードが胸を打つ。これで興味を持ったならば、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」を読むと面白いんじゃないかな。良い読書ができました。

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2024/02/21

遠い世界だった中国の歴史の世界を私も一緒になって肌で感じられて、中国史のとりこに それも万城目さんらしく人間味あふれる魅力的な人たちにしてくれました はまりすぎて中国語も習い始めてしまいしまた 私の世界を大きく広げてくれた1冊 短篇集で読みやすく、何度も読み返すほど好き

Posted byブクログ

2023/02/02

時折やってしまう、S潮文庫の呪縛による、内容未確認予約物件。悟浄は、沙悟浄のことでした。 中国古典文学の多少脇役にスポットを当てた短編集5編。 この作品を書くに至った万城目学さんの序文に、すごく、いいね!っと思いました。彼は、高校時代の現文テストに出題された小説に心奪われた。その...

時折やってしまう、S潮文庫の呪縛による、内容未確認予約物件。悟浄は、沙悟浄のことでした。 中国古典文学の多少脇役にスポットを当てた短編集5編。 この作品を書くに至った万城目学さんの序文に、すごく、いいね!っと思いました。彼は、高校時代の現文テストに出題された小説に心奪われた。その後、それが中島敦の「わが西遊記 悟浄歎異」と知る。中島敦は33歳で亡くなり、これは未完といったところ。そして、万城目学さんがその歳になり、そのオマージュに挑戦となる。 私は高校の現文の教科書で読んだつもりの森鷗外の寒山拾得のラストが心残りで時々思い出していたのですが、それが寒山拾得縁起のラストであったことがわかった時、ようやく納得したような気持ちだったですね。若い時代の出会いって、忘れ難い。(最近は、一昨日登録した本もあやしい) 悟浄出立 西遊記より 沙悟浄視線の猪八戒考察。 趙雲西行 三国志より 張飛・趙雲・諸葛亮の蜀への船上物語。 虞姫寂静 史記より 四面楚歌の元 虞美人草の虞姫の悲恋。 法家孤憤 史記より 燕の刺客、荊軻 同音の名を持つ男との分岐点 父司馬遷 史記 「李陵」中島敦 娘の榮から見た、大御所司馬遷。 どれも読み物として面白いのだけど、私が中国古典を読んでなくて、中島敦も西遊記を読んでないんですよ。なので、どの部分が万城目学さんの創作なのか、どのぐらいフィクションなのか、わからないのが残念でした。 猪八戒って、天界にいた時は、シュっとしたイケメンで、地上に落とされた時豚とぶつかってあの姿というのは、西遊記からなのかしら?

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2023/01/31

万城目学作品だが、これまでとは異なり、原作から想像を膨らませた短編集。様々な作品をキャラクターそれぞれの目線で感情や行動が描写されているため、どれも主体者の目線で情景やエピソードが感じられる。おすすめは表題作よりも、虞姫寂静。 万城目氏、中島敦や沙悟浄が推しとは、やはり面白い。

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2022/05/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この本を読んでいると、久々に中国史に関する本を読みたくなった。中国史は謎が少ないけど、題材にすると書き手によって特色が出るストーリーになって面白い。 万城目学は著者解題で中国史にミステリー要素が少ないのは、司馬遷がいたからだと主張している。司馬遷によって緻密に歴史が記録されたため、司馬遷以降も中国史は正確に書かれていると主張している。この主張はなるほどなと感嘆した。いつかは史記を読み、司馬遷が情熱を出した文を読みたいものだ。 この本はいくつかの短編によって構成されている。その中でも、この本のタイトルである悟浄出立に込められたメッセージに胸を打たれた。「過程にこそ素晴らしさがある」というメッセージは、現代の結果だけを求める風潮に一石を投じているのではないだろうか? 1番面白いと感じたのは、虞姫静寂だ。虞にスポットを当てており、あまり記録が残っていないため万城目学が思い描く虞に対するイメージがありありとこの話に表れていると思う。項羽のかつての妻であった虞に似た女を虞としての役割を与えるというのは、万城目学の妄想力が無ければ思いつかないだろう。

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2022/05/02

中国の古典に題材をとった五篇の短編から成る短編集。 この短編集ではない、昔読んだ小説の中に出て来た会話。 妻がいる男性が妻を手酷く裏切って他の女性の許に走り、恨んだ妻は相手の女性に復讐する。 「これは酷い…もし復讐するなら男にするべきだ」と、ある小説家は妻に言う。すると妻は ...

中国の古典に題材をとった五篇の短編から成る短編集。 この短編集ではない、昔読んだ小説の中に出て来た会話。 妻がいる男性が妻を手酷く裏切って他の女性の許に走り、恨んだ妻は相手の女性に復讐する。 「これは酷い…もし復讐するなら男にするべきだ」と、ある小説家は妻に言う。すると妻は 「そうなんでしょうね。でも、女はそうは思いません」 この短編集のヒロインの女性は、男にきっちりと一発かまして去って行く。 代償行為で自分の心の穴を埋めようとするのは 男性あろうと女性であろうと、あまり褒められた行動ではありませんね。色んな人を傷つける。

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2022/01/29

項羽と虞にチャイニーズデスコアの優Voodoo Kungfuのvo 李楠とサポート?Bの蒲羽を脳内キャスティングして読んだ「虞姫寂静」が良かった。 これ、読み始めてから間もなく何処かに行っちゃって、この前やっと発見したんだよね。 で、再読。 西遊記も史記も三国志も試験対策以外の...

項羽と虞にチャイニーズデスコアの優Voodoo Kungfuのvo 李楠とサポート?Bの蒲羽を脳内キャスティングして読んだ「虞姫寂静」が良かった。 これ、読み始めてから間もなく何処かに行っちゃって、この前やっと発見したんだよね。 で、再読。 西遊記も史記も三国志も試験対策以外の知識も興味はなかったワケだよ。これまでは。まぁ、孫悟空は知ってるけど。 で、最初は正直辛かった。西遊記さえも。 でも、読んでいるうちに気がついた。と、いうか思い出した。漢文とか古典は同級生が言うほど嫌いじゃなかったことを。みんなに合わせて文句は言ってたけど、文中にふと差し込まれる視覚的な風景描写が好きだったなぁ。 で、原作からのスピンオフを万城目学が綴るという趣旨の本作。 原作知識のない私のようなNO歴読者に対し簡単な背景説明を巻末に収録という親切設計。 中国古典に見られる風景描写を挿入というスタイルを踏襲。美しい。臨場感が湧く。 行間で物語る漫画家と評されるあだち充の風景描写って中国古典の影響から来てるのかもと思い至った次第。

Posted byブクログ

2021/11/04

どの話も面白い。その人を周縁から描く手法。ただ、予備知識は多少いるのが難。 司馬遷のお話が一番かと思う。

Posted byブクログ

2021/04/15

特に表題の悟浄出立が面白いです。1つ1つが短いので読みやすいと思います。万城目学さんの個性が出てます!

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