痕跡 の商品レビュー

エドゥアール・グリッサン(著者),中村隆之(訳者)

2020/12/26

かつてはフランスの植民地であり、現在はフランスの海外県であるカリブ海のマルティニーク諸島生まれの作者の書く土着の話。べったりした文体だが、クレオール語で書かれたから故だそうです。いわゆるあれですよ、そこに生まれ育った人間でしか表現できなさそうな世界ってやつでして、細い長い蟻の穴を覗いてるような感じがしました。基本的には家族の何代かに渡る話でして「百年の孤独」を思いだしました。やっぱ植民地文学は植民されてる側に書かれて欲しいが文化水準的に難しく、作者のように優秀だとフランスにお勉強に行けるみたいです。