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人妻どろぼう の商品レビュー

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どろぼうの特性を活かしたヒロインの配置の妙

タイトルは「人妻のハートを奪う」ことなのか「人妻の泥棒」なのかといろいろ考えることもできるが、描かれているのは両方である。そして、仕事を失い、妻にも逃げられて行き場を無くした主人公が手を染めようとするのは空き巣である。元来が真面目なので食い扶持だけでもという細やかな目的なのだが、...

タイトルは「人妻のハートを奪う」ことなのか「人妻の泥棒」なのかといろいろ考えることもできるが、描かれているのは両方である。そして、仕事を失い、妻にも逃げられて行き場を無くした主人公が手を染めようとするのは空き巣である。元来が真面目なので食い扶持だけでもという細やかな目的なのだが、不器用もあって上手くいかない。だがしかし、その目的は図らずも毎回達成されるのが不思議であり、最後は一目惚れしたメインヒロインへの秘めた想いまで成就するという再出発の物語である。 1章につきほぼ1ヒロインで構成されており、名前だけを列記すれば下記の女性達が順番に登場している。 第一章:志乃 (空き巣に入った先の人妻) 第二章:瑠璃子(かつての同僚の妻) 第三章:由佳里(職場の上司)、小百合(人妻) 第四章:尚美 (愛人) 第五章:莉奈 (メインヒロイン) 第三章で2人出てくるので計6人もの大所帯に見えるが、タイトルが示すように「人妻」の誰かが「どろぼう」なので偽名を用いた同一人物となる。これにより最後にメインと一度きりになりがちな構成が覆され、早い段階から情交が描かれたのは何度も使える手法ではないもののナイスなアイデアだと思った。 さらには中盤で描かれるがっつりな寝取られによって全体的にはソフトな官能面がぐんと底上げされていることも好材料。いわゆる一竿至上主義では許し難いであろう「ぐぬぬ……」な無理強いがまさに主人公の目の前で繰り広げられ、屈服の末に絶頂までさせられてしまう被虐度の高い場面だが、最近の作品で作者がしっかり盛り込んできた経験から状況の作り込みには磨きがかかっているようで、本作随一のいやらしさが印象深い場面になっていた。 また、空き巣に入った先の人妻と思しき志乃が挙動不審だったり、瑠璃子とは淡い恋路の過去があったり、小百合の行動が結果的に寝取られの意趣返しになったり、尚美が愛人となっている男は莉奈と関係深い人物だったりとストーリー展開も起伏に富んでおり、当初の目的こそ思わぬ形で果たされていくものの生活は次第に困窮していく主人公の行く末と共に楽しめるものとなっている。 そんな極貧に陥っても誠実を貫く主人公の姿が不器用だからこそ母性をくすぐるかのように、最後はやや性急ながらもほっこりさせられるハートウォーミングな結末を迎えている。

DSK