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少女漫画家のミナモトさんがカミングアウトします。 の商品レビュー

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2017/11/06

LGBTQの本棚から 第26回「カミングアウト」 今回紹介するのは 『少女漫画家のミナモトさんがカミングアウトします。』 (ミナモトカズキ) です。 本の帯には 『少女漫画家な私。実は男でゲイでした。』 とあります。 ミナモトさんにとっては二重のカミングアウトとなるわけで...

LGBTQの本棚から 第26回「カミングアウト」 今回紹介するのは 『少女漫画家のミナモトさんがカミングアウトします。』 (ミナモトカズキ) です。 本の帯には 『少女漫画家な私。実は男でゲイでした。』 とあります。 ミナモトさんにとっては二重のカミングアウトとなるわけですが、その中で気になった部分をいくつか紹介したいと思います。 まずはミナモトさんが初めて行ったゲイバーでママからかけられた一言……。 『ゲイとして生きるのに、早いとか遅いとかなんてないのよ』 みんながみんな、自分のセクシュアリティに五歳から気がつくわけではありません。 なかには、気づいたのが20~30代だった……。 今さらセクマイとして生きていくなんて無理だ~、と悩んでいる人だって、いると思います。 こういうセリフって役に立ちますよね? 次はゲイの友人の一言 『ゲイだって気づいた事で、オレにも素敵な個性ができたんやなって思って嬉しかったんじゃ』 その友人は、自分には特別なものが何もないと思っていたのだそうです。 セクマイであることを個性ととらえられるなんて凄い……。 確かに悪いことをしているわけではないし、生まれつきなんだから、個性といっても何も問題はないでしょう。 次は母親へのカミングアウトの場面。 意を決してカミングアウトした母親の口から出たのは 『正直キツいなぁ この話……』 というお言葉。 それを聞いて彼は、それまで押し殺してきた感情が爆発してしまい、言いたかったこととは違う言葉を次々と吐き出してしまいました。 僕も両親にカミングアウトする時にパニックになってしまい、ひどいことを言ってしまった経験があるのでその時のことを思い出しました。 このセリフからのお話は、親だからって全てをありのままに受け入れてもらえるわけではないかもしれないことを教えてくれます。 自分が自分を理解する時だって、時間がかかったのです。 皮膚感覚を便りにすることができない、 他人である親だって同じように……いや、もっと時間が必要でしょう。 最後は祖父へのカミングアウト 祖父はミナモトさんのカミングアウトを平然と受け入れてくれます。 祖父は昔、自分のこの気持ちは同性愛かもしれないと悩んだ時に、同性愛に関する書物をたくさん読んだことがあったので、理解があったそうです。 年齢が高い人ほどセクマイに対して寛容ではないイメージがありますが、いまの年配のかたは、イメージとは違ってきているのかもしれません。 60代なら、団塊の世代なわけですから。 それに“本を読んで”正しい情報を得ていた、というのも大きいと思います。 なので、図書館にLGBTQ関係の本を入れることはとても重要です!! 動物図鑑、偉人の伝記、レシピブック、LGBTQの本……。 ほかのジャンルの本と同じように手にすることのできる情報の1つとして、LGBTQの本が普通に置いてあることはとても大きいです。 カミングアウトされる側の人は大半が異性愛者で、セクマイについてはあまり考えたりしたことのない人でしょう。 当事者や関係者でない限り、自分からセクマイについて調べたりすることはなかなかないですからね…。 でも知識がないと考えが偏ってしまったり、根も葉もない噂や世間の印象を鵜呑みにしてしまったりして、最悪の場合攻撃してしまいます。 いろんな知識を得て、柔軟な考えができる人になってくれることを願ってLGBTQ関連の書籍の1つとして図書館に入れて欲しい一冊です。 多少性的な表現や場面があるので(セクマイ関連はちょいちょいそうですが!) 小・中学校は司書さんの判断にお任せします。 高校の図書館には入れてOKだと思います。 子どもだけでなくむしろ大人にも読んでほしい一冊です! 2017年11月06日

Posted byブクログ

2017/08/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

少女マンガ家である作者が、ゲイに目覚めてから現在までをカミングアウトするエッセイマンガです。 作者は友人や家族にカミングアウトすることに成功し、また友人たちからは受け入れられています。母親にカミングアウトした時は「正直きついなぁ」と言われています。 カミングアウト、するべきかしないべきかを考えるかと思います。それによって離れてしまう人もいれば、今までと同じように付き合ってくれる人もいます。 今までと変わりなく付き合ってくれている人の中にも「今までと全く同じでいいのかな?」とか、「その話題に触れてもいいのかな?」と感じる人もいるでしょう。 カミングアウトすることで辛い思いを擦るかもしれませんし、逆に幸せになれる可能性もあります。作者は一概に「カミングアウトをするべき」とは言いません。私も、素の件には賛成です。カミングアウトする人にはして、しない人にはしないという選択肢ももちろんあります。全くカミングアウトをせずに隠し通すという選択肢もあります。 この作品では、カミングアウトをした作者の体験がかかれています。カミングアウトをするかしないか悩んでいる方は、参考になるかと思います。 また、ゲイ以外のLGBTに関しても触れられているので、そこら辺を知りたい方にも向いているかと思います。

Posted byブクログ