国際法で読み解く世界史の真実 の商品レビュー
最初の方は国際法から見る世界史や各国のスタンスが書かれていて、新鮮で為になると思っていた。 しかし、それ以外は日本ひいきな内容で萎えました。
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あまり頭使わずに読めるやつが読みたい、という理由で書店に行きうっかり手にとってしまいましたとさ。 「法は守るものでなく使うもの」とか「安全保障の力のない国は主権国家としての地位を守れない」という当たり前のことを歴史を紐解きつつ、雑かつ丁寧に解説してある。 読む前の期待では「そ...
あまり頭使わずに読めるやつが読みたい、という理由で書店に行きうっかり手にとってしまいましたとさ。 「法は守るものでなく使うもの」とか「安全保障の力のない国は主権国家としての地位を守れない」という当たり前のことを歴史を紐解きつつ、雑かつ丁寧に解説してある。 読む前の期待では「そもそも国際法とは」というあたりをじっくりやるのかと思ってたのだけど、そのあたりの解説もしっかりやりつつどちらかというと「国際法は過去どう使われてきたか」に重点が置かれている。
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【インターナショナリズムとコスモポリタニズム】 ここで二つの概念を考える必要があります。 国際主義と訳されるインターナショナリズムと、世界主義と訳されるコスモポリタニズムです。 コスモポリタニズムというのは、全人類が一つにまとまれるという前提です。 コスモポリタンのことを地球市...
【インターナショナリズムとコスモポリタニズム】 ここで二つの概念を考える必要があります。 国際主義と訳されるインターナショナリズムと、世界主義と訳されるコスモポリタニズムです。 コスモポリタニズムというのは、全人類が一つにまとまれるという前提です。 コスモポリタンのことを地球市民といいます。 コスモ(世界)がポリス(都市)であって、そこのアン(市民)、つまり、地球という都市の民という意味です。 一方、インターナショナリズムというのは、地球には一つのまとまった人類の政府などというものはないという前提です。 だから、いろいろな主権国家が並立している中で、知恵を出しあい、国際慣習に立脚して、仲良くしあおうと考えますが、これこそ国際法の発想です。 インターナショナリズムは、それぞれの国のナショナリズムを前提としています。 コスモポリタニズムはそれぞれの国のナショナリズムを否定して一つのコスモ、地球市民になろうというところがある、そういう違いがあるわけです。 インターナショナリズムの人たちも、もちろん「仲良くしよう」とは考えています。 しかし現実として、いろいろな主権国家が並立しているので、対立も起きるだろうし、世界政府などというものは到底実現しないだろうというリアリズムも持っています。 だから、せめて、それぞれの国が自国の国益を追求するためには「国際法を武器としてやるしかない」と考えるわけです。 それがまっとうな国際法学者なのです。 ところが、困ったことに、コスモポリタニズムの人たちの多くは、自分の考えるコスモポリタニズムとインターナショナリズムが違うということが理解できません。 なぜかというと、インターナショナリズムが理解できないからです。 日本の国際法学者の多くはコスモポリタニズムです。 コスモポリタニズムでは国際法を理解することはできません。 たとえばEU(欧州連合)は、単純にいうと神聖ローマ帝国を復活させて、主権国家体系を中世に戻そうとしているようなものです。 EU加盟国の共通点は、「白人」の「キリスト教国」の二つだけです。その域内ではコスモポリタニズムができます。 しかしその一方で、暗黙のうちに、その外の世界に対してはエクスクルージング(排外的)になりインターナショナリズムを主張するという二重基準になっています。 トルコのEU加盟を認めないのは、その象徴的な現われです。 コスモポリタニズムだけでは、国際法、インターナショナリズムがわかりませんし、ここがわかっていないとEUのような今の国際社会の問題もわかりません。 逆にいえば、本書をお読みになって、コスモポリタニズムとインターナショナリズムの違いを知って、国際法を武器にできたなら、世界史の真実をすっきりと見通すこともできますし、複雑でわかりにくいと感じる現代の国際社会の議論にもついていけるようになれます。
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一冊で随分と勉強になった。 先の大戦に至る歴史、何が起こって、当時どう評価されるべきであったかということが、新書と思えない分量で展開される。 日本は優等生ゆえに、ボコられた。 決して正しかったわけではないのだろうが、正しくあろうとして、踏み外した。いや、はめられた。 そうし...
一冊で随分と勉強になった。 先の大戦に至る歴史、何が起こって、当時どう評価されるべきであったかということが、新書と思えない分量で展開される。 日本は優等生ゆえに、ボコられた。 決して正しかったわけではないのだろうが、正しくあろうとして、踏み外した。いや、はめられた。 そうした視点を持ち直した上で、もう一度歴史を評価する必要もあるだろう。 確かに、倉山満の過去の著書で述べられていることが、この本を読むことで一層はっきりするような気がした。
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倉山満は現代人に必要な事実・知識を、幾度も繰り返し、同じ事柄も常に現代抱える問題を例示しながら伝える。言論人として、自分の考えを布教するわけでもなく、自分で考える力を身に着けさせるために・・・。なぜなら、無知が日本を無間地獄に落としたため、また、さらなる国難が迫っているから
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倉山氏の主張だけが真実とは思えない。主張を正当化するために断片的に真実を述べているところもあるだろう。 しかしこの本は、間違いなく今までの常識を大きく変えてくれる良書だと思う。 日本人はなぜ、戦争へ突き進んでいったのか。 単に個人名を挙げて悪役にする今の日本史の解釈では、また同じ...
倉山氏の主張だけが真実とは思えない。主張を正当化するために断片的に真実を述べているところもあるだろう。 しかしこの本は、間違いなく今までの常識を大きく変えてくれる良書だと思う。 日本人はなぜ、戦争へ突き進んでいったのか。 単に個人名を挙げて悪役にする今の日本史の解釈では、また同じ過ちを繰り返すかもしれない。 過去の研究にとどまらず、これから日本がどうあるべきか、考えさせられる本だった。
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ひでぇ本だった。こんなの読んで「真実に目覚めちゃう」「普通の日本人」が量産されるのかと思うと頭が痛い。
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解説では以下のように書かれている。 ヨーロッパで戦われた最後の宗教戦争である“30年戦争”。 そのあまりに悲惨な略奪と殺戮に直面した法学者グロチウスは、戦争を「無法で残忍な殺し合い」から「ルールに基づく決闘」に変えようと考える。 「戦争に善いも悪いもない。だからこそ戦争にも守るべ...
解説では以下のように書かれている。 ヨーロッパで戦われた最後の宗教戦争である“30年戦争”。 そのあまりに悲惨な略奪と殺戮に直面した法学者グロチウスは、戦争を「無法で残忍な殺し合い」から「ルールに基づく決闘」に変えようと考える。 「戦争に善いも悪いもない。だからこそ戦争にも守るべき法がある」 ――この思考から生みだされてきたものこそ国際法であった。 この国際法を「ものさし」いして歴史を読み解くと、これまで見えなかった構図が手に取るように見えてくる。 世界史のすべての謎を解き明かす「最強の武器」としての国際法をわかりやすく解説。 日本人を賢くする驚愕の一冊。 となっている。 私の場合、法学部出身で、法解釈学より、法社会学のアプローチに親近感を覚えていた。 また、社会人になり、経済書も読むようになったが、合理的判断すると言われる「ホモエコノミクス」なんぞには、違和感を感じていた。 人間社会というものは、正しいか正しくないかは置いておいて、その時々に発生した事案を、ある程度の人間が納得したようにして一定の決着を積み重ね、それを慣習化しながら、日々、一応安定的に見えるかたちで、暮しているわけだ。 どつかれたら、どつきかえす、バカにされたら、やり返す。でも、むやみやたらと殺人はできませんよ、と。 ウエストファリア体制後の国際法遵守、これを堂々と、実行出来たかであるが、アメリカ、ソ連、ナチスドイツなんぞは、そんなことはへっちゃら。 変におりこうさんみたいな自虐史観、バカたれが(笑)。 堂々と、国家間で積み上げてきた最低限のルールを守りながら、堂々と論戦を張ればいいわけだ。 そのための経済力、軍事力は必須ですが。 いつもながら、倉山先生の論理は、単純明快で結構です(拍手)。
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憲政学者の倉山満による、国際法を読み解くという視点で近現代の世界を紐解く一冊。 1648のウェストファリア条約が起点になり国際法ができたという著者の説はわかりやすい。 また、国際法は国内法みたいな強制法ではなく(強制を実行できる国がない)、あくまでやくざの仁義と同様であること、...
憲政学者の倉山満による、国際法を読み解くという視点で近現代の世界を紐解く一冊。 1648のウェストファリア条約が起点になり国際法ができたという著者の説はわかりやすい。 また、国際法は国内法みたいな強制法ではなく(強制を実行できる国がない)、あくまでやくざの仁義と同様であること、またこれを守れるできる文明国であることが条件というのが重要だというのも納得。 何より日本が、国際法を理解しない国に囲まれているというのは悲劇であり、現在の弱腰外交を跳ね返すには何より外交力が必要だと痛感した。
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この本を、読んだあとに「帝国憲法物語」、「歴史問題は解決しない」を読むと、おそろしいほど理解が深くなる。 倉山氏の思考や分析の基本となるエッセンスがふんだんに盛り込まれている。大学で講義を聴いているような感覚になった。
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