ロックンロールは死んだらしいよ の商品レビュー

山﨑修平(著者)

2022/04/11

君、特にあなたに語りかける著者の愛情が伝わってくる。表題「ロックンロールは死んだらしいよ」でも音楽がなくてもいいあなたがいるなら、死んだらしいよ、でもね、に繋がっている。ただ物足りなさを感じたのも事実で、これは個人的な嗜好の問題だとして棘のような冷たい詩が読みたかったとも思う。愛し愛され、そんなうたは沢山ある。それでも言葉の連なりに独特なリズムがあり読み応えがあったとも思う。

「花の頃合いを見て花を掴めば花は香りのみ残して斃れる、あなたの自転車から真っすぐに伸びた光」

2017/10/10

現代的な用語や話し言葉の頻出する詩集なのに、近代文学や懐かしい昭和の詩歌の趣きがあるのは、定型詩、短歌を前提として練られたリズムが、まだ日本語が若かった頃の青春の空気を想起させるためかもしれない。（千木良悠子）