天使と鴉のプレセピオ の商品レビュー
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人間のいる世界に紛れ込み人間を食い殺す人狼。関東討伐局の新人討伐官連野壮真は同僚で自称天使の篠崎樫乃と日々任務をこなして来た。ある日樫乃の両親を殺した人狼の痕跡を発見し、樫乃自身がある能力を覚醒させたことで日常が一変する。 壮真が人狼だとは1ミリも思っていなかったので、正体が分かった時は衝撃的だった。それと同時にこの物語、主人公は壮真でなく射京だったのかとがっかりした。そして壮真が気の毒で仕方なかった。射京には才能もそれを発揮する能力も利用出来る場所も協力する人もたくさんいる。壮真には樫乃しかいない。壮真の孤独を表現したのだろうが、そもそもの条件が違い過ぎて、射京が悪魔のように壮真をいたぶっているようにしか思えなかった。主人公が悪の側でその苦悩や孤独を書くのは新鮮でいいのだが、もう少し壮真が有利になる条件ががあってもいいと思った。
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ゆっくりしたペースで読んで、クライマックスにぐっとくる、そして読後に虚しさを残していく。読者の期待を良い意味で裏切るどんでん返しが複数設けられているのが飽きずに読めてよいです。また、ライトノベルでは避けられがちな「主人公の殺人」への切り込んでいただけたことも読者として嬉しいです。すべての謎が解けるクライマックスでは、胸を打つ複線回収で余韻を生んでいます。ただ大人だけでなく若者が人狼討伐をする社会背景やイコイさんの異名についての投げっぱなしなど部分的に粗は感じましたが、面白かったので個人的には星4の高評価。
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