本格力 の商品レビュー
現代でも通用する古典翻訳ミステリとはなんぞやを語る。 単に面白い点だけでなく、読むのが苦痛だった箇所や本格としてどうなのかという面も述べられていて楽しい。 読みたい本が無限に増えてしまう遊び心に満ちた恐ろしい本。
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足掛け九年の連載を一冊にまとめたもんだから、厚い厚い。 メインのH-1グランプリはためになり、これだけでも手元に残しておきたいところ。ただ、あくまで著者も述べているように、主観が基準だから、意見が合わない人もいるだろう。 箸休めの「挿絵」も良き。この系統で続けてもらいたいほどだ。
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・一見して存在感のある本。全部読み通すことになるとは思わなかった。 ・本格ものミステリのブックガイド。あれこれやってはるんでわりとタイクツしないしサクサク読める。 ・《本の並び替えは、ある意味、本を読むより愉しいからな》p.330 ・扱われた本をリストにしようかと思ったが、冊数が...
・一見して存在感のある本。全部読み通すことになるとは思わなかった。 ・本格ものミステリのブックガイド。あれこれやってはるんでわりとタイクツしないしサクサク読める。 ・《本の並び替えは、ある意味、本を読むより愉しいからな》p.330 ・扱われた本をリストにしようかと思ったが、冊数が多いし、洋モノは(内容はまったく覚えてないが)すでにわりと持ってるようなのであきらめることにした。 ▼巻末にある「H-1グランプリ」優勝作品のリストだけ簡単にメモしとく。(誤字脱字のチェックはしてません) ・『赤毛のレドメイン家』フィルポッツ ・『ギリシャ棺の謎』エラリー・クイーン ・『Yの悲劇』エラリー・クイーン ・『完全殺人事件』ブッシュ ・『ナイルに死す』クリスティー ・『赤い右手』ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ ・『自殺じゃない!』シリル・ヘアー ・『僧正殺人事件』ヴァン・ダイン ・『皇帝のかぎ煙草入れ』カー ・『グリンドルの悪夢』パトリック・クェンティン ・『六死人』ステーマン ・『スターヴェルの悲劇』クロフツ ・『ニューゲイトの花嫁』カー ・『殺人者なき六つの殺人』ボアロー ・『フォックス家の殺人』エラリー・クイーン ・『十日間の不思議』エラリー・クイーン ・『五番目のコード』ディヴァイン ・『水晶の栓』モーリス・ルブラン ・『虎の牙』モーリス・ルブラン ・『曲がった蝶番』カー ・『すねた娘』ガードナー ・『緑は危険』クリスチアナ・ブランド ・『ナイン・テイラーズ』ドロシー・L・セイヤーズ ・『歯と爪』バリンジャー ・『殺人交叉点』カサック(「交差点」でない本) ・『暗い鏡の中に』ヘレン・マクロイ ・『消えたエリザベス』リリアン・デ・ラ・トア ・『シャーロック・ホームズの冒険』コナン・ドイル ・『思考機械の事件簿 I』ジャック・フットレル ・『死の接吻』アイラ・レヴィン ▼ついでに「勝手に挿絵」のコーナーで取り上げられてた和モノのリストも。 ・「謎の咬傷」小酒井不木 ・「蛇男」角田喜久雄 ・「暗黒館の殺人」綾辻行人(今回は「正式に」) ・「五体の積木」岡戸武平 ・「踊る一寸法師」江戸川乱歩 ・「蜘蛛」甲賀三郎 ・「足の裏」蘭郁二郎 ・「狂気ホテル」大下宇陀児 ・「四〇九号室の患者」綾辻行人 ・「処女水」香山滋 ・「山高帽のイカロス」島田荘司 ・「面影双紙」横溝正史 ・「父を失う話」渡辺温 ・「巡査と踏切」江島伸吾 ・「叫ぶ夜光怪人」津島誠司 ・「とむらい機関車」大阪圭吉 ・「魔笛」高木彬光 ・「まぼろし」城昌幸 ・「黒鳥譚」中井英夫 ・「芋虫」江戸川乱歩
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
海外の古典本格ミステリ群を今どきの女子高生と年のいった博士の二人で紹介・一刀両断しています。ちょいちょいセクハラ発言がなければもっと良かったです。オヤジ向けなのかな。 本編だけだと薄味で魅力がないのですが、本格に全然関係ない国樹さんの漫画やエッセイに癒されたのでトータルで★3.5です。
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海外古典本格ミステリのブックガイド。 古典といえど遠慮のない評価で、ダメなものは何故そうなのかを考察しているところがよかった。自分の評価とは真逆のものもあったが、それはそれで面白い。 それだけではなく、名作のイラストや街で見つけたミステリな風景、国樹由香による「本棚探偵の日常」の...
海外古典本格ミステリのブックガイド。 古典といえど遠慮のない評価で、ダメなものは何故そうなのかを考察しているところがよかった。自分の評価とは真逆のものもあったが、それはそれで面白い。 それだけではなく、名作のイラストや街で見つけたミステリな風景、国樹由香による「本棚探偵の日常」のコーナーも楽しい。(本棚探偵シリーズを読んで喜国雅彦はかなり変なヒトだと思っていたので、こんな優しくて可愛い側面があるのかと感動した) これを読んで、未読だったものだけでなく、かつて読んだけどほとんど忘れている作品や、いまいちだった作品も再読したくなってしまった。
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もうね、みすをだけでも、読む価値あり。 本格ミステリあるあるすぎて笑う。 グランプリは全然私の評価と間逆のものばかりでしたが、キャラクターの書き分けと登場人物欄が肝になっているようだ。クリスティとバークリー傑作ばかりだよ!!みんな読もうね!!
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笑いあり、涙あり、面白くて勉強にもなるエッセイと漫画とミステリガイドとその他いろいろ。ミステリ好きはそりゃもうどっぷり浸れてお得感も満載の一冊なのですが。 「ミステリ好き」「基本的に面白ければなんでもいい雑食性」「そのわりには案外と海外古典本格は食わず嫌いしてる」という私のような...
笑いあり、涙あり、面白くて勉強にもなるエッセイと漫画とミステリガイドとその他いろいろ。ミステリ好きはそりゃもうどっぷり浸れてお得感も満載の一冊なのですが。 「ミステリ好き」「基本的に面白ければなんでもいい雑食性」「そのわりには案外と海外古典本格は食わず嫌いしてる」という私のような人間にとっては……これ、とんでもない悪書でした。これ一冊読んだだけで、読みたい本がどれほど激増したか! 有名&名作とされるあれやこれやが「退屈」とあっさり書かれていたり。それで「あ、退屈だと思っていいんだー。じゃあ面白いって書かれてるこれを読んでみたら面白いかも」と読んだら面白いし。逆に私が好きな作品でもあまりほめられてなくて、「あ、やっぱり好みは人それぞれなのね。じゃあそれほど評価されてないみたいだけど、これ気になるし読んでみようかな」なんて思ったり。あああ、これを読み終えた後には底なし無間地獄が待っていましたよ。でもある意味、とてつもなく甘美な地獄(笑)。 あくまでも評価は自分で決めるもの。だけど人の評価を見てきっかけになることもある。という意味で、誘惑がいっぱいの一冊です。それなりに覚悟を決めて読みましょう。 ……ちなみに私は。この本のおかげで「ローマ帽子の謎」「Xの悲劇」を読んだきり陥ったクイーン食わず嫌いを克服できた気がします。「Yの悲劇」、犯人だけ知ってたけど凄く面白かったー。
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さーすが本棚探偵。おもしろかった! なんだこのぶ厚さは、とひるみつつ読み出したのだけど、趣向の凝らされた楽しい書き方で、飽きることなくすいすい読めた。 定番の本格古典ミステリって今読み直しても本当におもしろいか、忌憚のないところを言っちゃおうというのが、実にキクニさんらしくてい...
さーすが本棚探偵。おもしろかった! なんだこのぶ厚さは、とひるみつつ読み出したのだけど、趣向の凝らされた楽しい書き方で、飽きることなくすいすい読めた。 定番の本格古典ミステリって今読み直しても本当におもしろいか、忌憚のないところを言っちゃおうというのが、実にキクニさんらしくていいなあ。古典への愛が半端ではないことをみんな知ってるからこそ許される企画。けなしてあっても全然嫌な気がしない。思ったことを書くぜ!というスタイルが気持ちいい。 なんといっても「普通の女子高生りっちゃん」(と「博士」との対話というスタイルになってる)の口を通して語られる、名作ミステリへの容赦ない評が最高。「上品すぎ」「地味すぎ」「中盤が死ぬほど退屈」「のどかすぎる」「中途半端」…、あはは! いやーほんと、クロフツ「樽」なんか実に退屈だよねえ。若いとき読んだので「これが名作なのか」と辛抱して最後までつきあったけど、今なら絶対ムリだわ。バークリーとかデクスターもちっともおもしろくなかったんだけど、ワタシはそうは言えなかったのよ。どこがどうつまらないのかもちゃんと書いてあって、探偵はエライ。 もちろん、読み返してもやはり傑作!という古典もいろいろある。自分がミステリ初心者の頃読んで、ガビーンと衝撃を受けたクイーン「Yの悲劇」については、「雰囲気最高。悪意最高。不道徳万歳」と◎がついていた。おお、そうでしょそうでしょと嬉しい。長年人に勧めまくってきたアイラ・レヴィン「死の接吻」には「儂の求める一つの理想型」と。探偵ー。握手してくださいー。 「本篇」のミステリガイドの他に、「みつを風」の一言や、「勝手に挿絵」と題したイラストやらあって楽しいが、一番熱心に読んだのは、探偵のお連れ合い国樹由香さんによる「本棚探偵の日常」。オマケ的に読んでもらったら、と書いてあったが、もしかしてこっちの方がおもしろかったかも(あわわ、申し訳ない)。ロックでヘビメタで、ああいうマンガを描くキクニさんが、実生活ではすごく真面目で人見知りだそうで、なんかすごーく可愛げがあるのだなあ。お二人の仲の良さも、ワンコ愛もほほえましくて良かった。
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読み直したい本やこれから読みたい本が増えすぎて困る。そして喜国さん、由香さん夫婦のエピソードが素敵すぎる。
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読みたい本、読み直したい本が増えて困る。本好きでもいいんだー、買っちゃっても読んじゃってもいいんだー、と妙な勇気が湧いてきて困る。
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