丘の上のバカ の商品レビュー
朝日新聞の論壇時評の連載をまとめた「ぼくらの民主主義なんだぜ」同様、その続編の本書も高校生・大学生に読んでほしい本だ。借り物の大きな言葉ではなくたとえ未熟でも自分の言葉で語ること、考えることの大切さ。自分とは異なる人の言葉を聴くこと、認めることの難しさ。高みからの言葉ではなく愚か...
朝日新聞の論壇時評の連載をまとめた「ぼくらの民主主義なんだぜ」同様、その続編の本書も高校生・大学生に読んでほしい本だ。借り物の大きな言葉ではなくたとえ未熟でも自分の言葉で語ること、考えることの大切さ。自分とは異なる人の言葉を聴くこと、認めることの難しさ。高みからの言葉ではなく愚かなものとしての自らの体験談が書かれているが、実体験を土台として考えつづけられてきた作家の言葉には、その語り口がどんなに軽くても重量感を感じる。
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圧倒的な「正しさ」を前にして、「でも、ひょっとしたら」と、ちょっと立ち止まって、自分の心の中の声に耳を傾けてみること。そして、必要ならばそのことに関する資料なり文献などを読みながら、徹底的に自分の頭で考えてみること。「知性」とは、そんな地道な行いの中から立ち上がってくるものなので...
圧倒的な「正しさ」を前にして、「でも、ひょっとしたら」と、ちょっと立ち止まって、自分の心の中の声に耳を傾けてみること。そして、必要ならばそのことに関する資料なり文献などを読みながら、徹底的に自分の頭で考えてみること。「知性」とは、そんな地道な行いの中から立ち上がってくるものなのである。
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岡さん推薦本。 思いがけず、良かった。 授業で朗読した箇所の文章がいいな…と思って借りたんだけど、なんのなんの!副題「ぼくらの民主主義なんだぜ2」な訳だ。1の方も借りて読もうと思う。
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副題が「ぼくらの民主主義なんだぜ2」となっている通り、昨年発売された「ぼくらの民主主義なんだぜ」の続編という体裁を取っている。 前作が2011年4月28日から2015年3月26にかけて朝日新聞に掲載された「論壇時評」をまとめたものだったのに対し、本作はその続きである2015...
副題が「ぼくらの民主主義なんだぜ2」となっている通り、昨年発売された「ぼくらの民主主義なんだぜ」の続編という体裁を取っている。 前作が2011年4月28日から2015年3月26にかけて朝日新聞に掲載された「論壇時評」をまとめたものだったのに対し、本作はその続きである2015年4月30日から2016年3月31日までを第一部として、また2011年以降に政治・社会について書かれたものを第二部、第三部にまとめてある。 前作同様に幅広いジャンルの書籍から様々な文章や言葉を引用し、引用するだけでなくそれらの文章や言葉を解説し、さらにそこに著者自身の考えや主張を加えている。 第一部の「論壇時評」をまとめたものは、枚数や文字数の制限もあり、短い中で全てを書き尽くせてはいないような印象を受けるが、だからといってそれらが欠点になっているようには思えず、むしろここに書ききれなかったことは読者一人ひとりが考えてください、と言われているようでもある。 第二部、第三部は第一部よりも多くの枚数を割くことが出来ているので、第一部以上に内容の濃いものになっているように思える。 読んでいて「なんでこうもスイスイと彼の考えが読み手に伝わってくるのだろう」と自問しながら読んでいたのだが、一つには彼の文章にその答えがあるのかな、と思った。 彼の文章はとても簡単なのだ。 例えば彼ほどの知識人であれば、読んでいてウンザリするほどに専門用語を使用して、判りづらい言い回しをして、堅苦しくて小難しい論文的な(あるいは衒学的な)文章だって書けるはず。 ところがここで彼が書いているのは、「小さな子供にでもわかるような」簡単な言葉と簡単な言い回しを使用した文章なのだ。 そんな簡素な文章でとても深くて広い内容を書いているのだ。 それと他の書籍からの引用が多いのだが、決してその引用に頼っている訳ではなく、あくまでも「高橋源一郎」の言葉として書かれているように受け取れるのだ。 かなり赤裸々で、もしかしたら少しショッキングな彼自身の告白も本作には収められているが、そういう箇所も含めて覚悟の座った自分自身の言葉で書かれていると感じられるのだ。 単純な読み物としても面白く(百田尚樹氏への批判なんて、絶妙でトリッキーで思わず笑ってしまった)、彼の考えに同意出来るにしても、出来ないにしても、いま自分の住んでいる社会、そして政治、最終的には自分自身の生き方に対して、再度思考を巡らす機会を与えてくれる、僕にとってはそんな内容の本であった。
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ただひとりの人間としての意見を考え続けられる人間でありたい。 それが民主主義にとっては重要なことであるから。 それ以前に、そういう人の言葉は人に届くから。
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ぼくらの民主主義なんだぜ2 私は考える事が大変苦手ですが、今後の日本の事を思うなら、考えることを止めてはいけないんだと思いました。声を出せるかどうかはわからないけれど、考える事は続けます。
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2017年?冊目(途中から数えていない)「丘の上のバカ ぼくらの民主主義なんだぜ2」読了。 著者の高橋源一郎さんは、以前読んだ内田樹さんの書籍にとても面白い文章を掲載されていた方だったので、気になって読んでみた。本書もそのとき読んだ内容と同様、とても面白かった。他の方の引用も多く、興味が持てる。中でも政治批判がとても痛快だった。読み終わって感じるのは、著者は常に自分の中にある違和感と向き合っているということ。人間なかなかそういうものに深く剣に向き合うことはできないなと。 (以下抜粋) 「政治って私たちが参加できるものなの?」という問いに、木村は「まず考えることが政治にかかわるということ」と答え、「18歳からの選挙権、何をすればいいの?」という問いには、「自分をしっかり確立し、意見の異なる他者と共存する準備」をするよう呼びかける。その木村の誘いへの、女の子たちの応答の柔らかさが素敵だった。 大人たちがやっきになって、なにか教えこもうとしても、子どもたちは聞く耳を持たない。なぜなら、この世の中には、もっと楽しいことがあって、それは「授業が終わった後」、「学校の外」に存在していることを、彼らはよく知っているからである。この、大人によって教えることのできない、子どもたちの性質を、鶴見俊輔さんは「教育をはじきかえす野生の力」と呼んだのである。 アーシュラ・クローバー・ル=グインは、少数派のことを「左きき」と言いかえてみた。確かに、わたしたちの世界は「右きき」の人たちに適するようにできていて、同時に、それが当然のことになっていて、わたしたちは、「左きき」の人たちが、どんな風に不自由を感じているか知らないのである。だから、少数派は、いつも不安だ。けれども、少数派は、多数派の知らないことを知っている。諷刺漫画家は、いつも世界を歪めて描く。でも、彼らは、わざと歪めて描くのではない。世界はもともと歪んでいることを(少数派にとって、多数派が作る世界は歪んで見えるのだ)知っていて、それをそのまま描いているのだけなのだ。
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昨年発売された「ぼくらの民主主義なんだぜ」の続編、朝日新聞の論壇時評で書かれたものとその他雑誌などで発表された文章に加筆・修正されたものがまとめられています。 前作に続けて、たくさんのメッセージが読者に投げかけられていました。 中でも僕が印象に残ったのは、「オバマさんのことば」...
昨年発売された「ぼくらの民主主義なんだぜ」の続編、朝日新聞の論壇時評で書かれたものとその他雑誌などで発表された文章に加筆・修正されたものがまとめられています。 前作に続けて、たくさんのメッセージが読者に投げかけられていました。 中でも僕が印象に残ったのは、「オバマさんのことば」。昨年、5月ヒロシマを訪れた際のオバマ演説を聞いてひっかりを感じた高橋さんが、演説の中で使われた「私」という言葉の回数を数えた(私たち…75個、私…4個)ところから内容に関する分析をおこなったところ(「私(オバマ氏)は思う」と触れられたのはたった1か所だけ)。政治で使われる「私たち」は、抽象的な囁きで「私」を見失わせていくという指摘はとても考えさせられました。「私たち」といった瞬間にそこに入らないと感じる人たちをつくり、また無意識の内に作り分けてしまう面があることは、社会運動においてもきちんと考えておかないといけないですね。 障害者運動は、権利条約の策定過程で使われた「Nothing About Us Without Us」(私たちぬきに私たちのことを決めないで)ということをこの間の運動のスローガンにしてきましたが、そのことの意味を深く考えたいと思いました。 「オバマさんのことば」と対比する形で、本では「美智子妃のことば」が取り上げられています。ほとんど触れたことのなかった僕としては、その内容もとても印象的でした。 ぜひたくさんの人に読んでほしい一冊です。
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政治に「専門家」なんて必要あるのか? ホントは政治家は「丘の上のバカ」でなくてはいけないのではないか? なぜ政治の専門家の親分が右向け右と言ったら、全員が右を向くような政治になってしまったのか? 私たちにも責任があるんだろうな、こんな政治を行なっているのに内閣支持率は高止まり。...
政治に「専門家」なんて必要あるのか? ホントは政治家は「丘の上のバカ」でなくてはいけないのではないか? なぜ政治の専門家の親分が右向け右と言ったら、全員が右を向くような政治になってしまったのか? 私たちにも責任があるんだろうな、こんな政治を行なっているのに内閣支持率は高止まり。 我々も政治的無関心の「専門家」になってしまっている。
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前作が素晴らしかったから、当然のごとく入手した続編。今回は、前回よりも引用が減っていて、その分、筆者の言葉が強く響いてくる。といっても、大声でただ主張している訳ではなく、どちらかというと控え目に、でも徹底的に思慮深く紡がれる言葉の数々は、いちいちが瞠目に値する。タイトルも、最初は...
前作が素晴らしかったから、当然のごとく入手した続編。今回は、前回よりも引用が減っていて、その分、筆者の言葉が強く響いてくる。といっても、大声でただ主張している訳ではなく、どちらかというと控え目に、でも徹底的に思慮深く紡がれる言葉の数々は、いちいちが瞠目に値する。タイトルも、最初は”何のこっちゃ?”って思ったけど、民主主義の本質を表すものだったんですね。って、そういう一面的な理解を、恐らく筆者は望まないのでしょうけど。
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