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プレイバック の商品レビュー

3.3

14件のお客様レビュー

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2017/03/27

少しハード感がかけたマーロウのような気がするが、相変わらずセリフの端々がかっこいい。登場人物も一癖も二癖もある人ばかりだ。

Posted byブクログ

2017/03/03

ハルキはハルキでも、私はハルキ訳の方。 レイモンド・チャンドラーの「プレイバック」です。 昨年12月に出ていたのですね。 たまたま紹介されて知り、久々にマーロウ節に浸ろうかと購入した次第。 訳者あとがきで村上春樹は拘泥することをいましめていましたが、やはり、あの名台詞を春樹がどう...

ハルキはハルキでも、私はハルキ訳の方。 レイモンド・チャンドラーの「プレイバック」です。 昨年12月に出ていたのですね。 たまたま紹介されて知り、久々にマーロウ節に浸ろうかと購入した次第。 訳者あとがきで村上春樹は拘泥することをいましめていましたが、やはり、あの名台詞を春樹がどう訳したのかは気になるところ。 「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない」 チャンドラーを知らなくても、この台詞は知っているという人は多いに違いない。 で、春樹訳はというと…。 ご自身の目でお確かめください。 まあ、無難に訳したかな、という感じです。 「プレイバック」は、いわゆるマーロウものの長篇で、チャンドラーの遺作となった作品。 話の筋は、それほど複雑ではありません。 弁護士から依頼を受けたマーロウが女を尾行しますが、女の周りには不審な男が付きまとっています。 不審な男はホテルのバルコニーで死んでいると女が言うので、マーロウが見に行きますが、そこに死体はない。 そこから話は展開し…と、まあ、そんなお話(どんな話や)。 たしかにストーリーも重要ですが、やっぱり機知に富む会話というか、マーロウの減らず口が楽しい。 たとえば、私立探偵のゴーブルとのやり取り。 ゴーブルが言います。 「なめた口をきくんじゃないよ。おれはけっこういらつきやすいんでね」 これに対してマーロウはこう反応します。 「面白い。いらついたところを見たいものだ。いったい何をするのかな。髭でも噛むのかい?」 「髭なんてはやしちゃいないぜ、この間抜け」 「はやせばいいじゃないか。待っててやるから」 思わず口笛が出そうになりますね。 先に触れた不審な男がホテルのバルコニーで死んでいると、尾行対象の女が告げるシーン。 女が言います。 「ええ、そう、彼は左利きだったわ。あなたの言うとおりよ。でも自殺であるわけはない。あのにやにや笑いの、自己満足の男に限ってはね」 これに対してマーロウはこう言います。 「ときとして人は自分がもっとも愛するものを殺すものだ。そう言われている。それが自分自身であるということはないだろうか?」 このアイロニーの利いた言い回し、村上春樹もよく使いますよね。 全篇、こんな気の利いた会話が散りばめられているのですから、面白くないわけはありません。 個人的には、後半の方にちょっとだけ登場する老紳士クラレンドンの哲学的な話が気に入りました。 あそこはこの作品のポイントのひとつと勝手に思っていますが、例によって誤読かもしれません。 あ、あと「常識」についてマーロウが独りごちた次の箇所。 これは「常識」について語っているようでいながら、実は、卑小な人間について語っています。 最後にこの箇所を引用して、筆を置きたいとぞ思ふ。 「しかし常識の声はいつもあとになってから届く。常識というのは、今週車をどこかにぶっつけた人に向かって『君は先週のうちにブレーキの調整をしておくべきだったね』と忠告するようなやつだ。常識というのは、自分がチームに加わっていたら、週末のゲームなんて楽勝だったのにと言う、月曜日のクォーターバックのようなやつだ。しかし彼がゲームに加わることは決してない。そいつはいつもポケットにウィスキー瓶を入れ、スタンドの高いところに陣取っている。常識というのは、決して計算間違いなぞしない、グレーの背広を着たちっぽけな男だ。しかしその男が計算しているのは常に他人の金だ」

Posted byブクログ

2017/02/13

If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.

Posted byブクログ

2017/01/29

村上春樹によるレイモンド・チャンドラーの「私立探偵フィリップ・マーロウ」シリーズの翻訳第6弾。 ある女の尾行を依頼されたフィリップ・マーロウは、女を追って列車で富裕層の住む町へたどり着くが、女の正体はよくわからず、女をゆすっていたと思われる謎の男など、次第に死人が発生する。依頼...

村上春樹によるレイモンド・チャンドラーの「私立探偵フィリップ・マーロウ」シリーズの翻訳第6弾。 ある女の尾行を依頼されたフィリップ・マーロウは、女を追って列車で富裕層の住む町へたどり着くが、女の正体はよくわからず、女をゆすっていたと思われる謎の男など、次第に死人が発生する。依頼人の意に背き、女を新たな依頼人として、彼女を助けようとするマーロウだが、依然としてそこには謎が多く、死人は増えるばかり。 今作は世間的な評価はあまり高くないようだが、マーロウのシニカルなユーモアは他作品に比べてかなり饒舌に描かれている気がする。チャンドラーの作品の魅力はもちろんミステリーとしてのプロットのスリリングさや、多面性を持つ登場人物の造形などもそうだが、やはり極めて魅力的な主人公フィリップ・マーロウの語り口が大きいと感じる。 ”「ねえ、よくお聞きなさい。あなたは仕事をするために雇われているのよ。うまく仕事を片づけた方がいいわよ。クライド・アムニーはこの街にたくさんの水脈を持っているんだから」 「いったい誰が水なんてものを必要とするんだい、ビューティフル?私はストレートでやるし、チェイサーはビールで済ませる。そしてその気にさせてくれれば、もっと美しい音楽を奏でるかもしれない」” (本書p23より引用)

Posted byブクログ