外交交渉回想 の商品レビュー

枝村純郎(著者),中島琢磨(編者),昇亜美子(編者)

2017/01/29

筆者の特別科学教育学級の同期に増井禎夫がいる。彼はラスカー賞やガードナー賞を受賞したが、ノーベル賞はもらえなかった。増井の研究を基礎に細胞分裂の周期制御研究を発展させた功労で、増井と同時にラスカー賞を得た英米の医学者二人が、自分たちの後進の一人を強力に推薦して政治的に動き、２００１年の生理学・医学賞の３人の枠から増井を排除した。ラスカー賞の選考委員たちは増井の排除を不当として学会誌にその旨を投稿したりしたが、後の祭りだった。
１９６０年ころ、小笠原には欧米系の住民だけがいた。
沖縄・小笠原返還問題は、日本ではあまり意識されていなかったが米国では南洋諸島の請求権問題とリンクしていた。
佐藤総理が沖縄を訪問した際、田中角栄の提案で自衛隊機が護衛についたが、奄美のあたりで引き返し、以降は米軍戦闘機が護衛についた。
沖縄の船には当時日本国旗を掲げられなかったので、いわゆるデルタ旗を掲げていたが、海賊みたいで、実際１９６２念４月３日にはインドネシアのモロタイ島水域で、インドネシア空軍に停船を命じられた挙句銃撃され、死者１名を出した。
福田ドクトリンは当初５原則だったが、新聞に５原則だ、４原則だとすっぱ抜かれたので、福田総理が、５でも４でもないようにしろ、ということで３原則になった。リークしたのは園田官房長官。
フォークランド紛争は、武器の製造元を見ると、アルゼンチンの戦闘機や空母も元を正せばイギリス製だった。

外交では、首尾一貫した外交、暖かな心が大切。

クナーゼ提案を日本側は拒否したことになっているが、これは違う。