毒殺魔 の商品レビュー
表題とカバー画から重い不穏なミステリーと想像して読み始めたのですが、軽めな感じの流れでちょっと違和感が起きました。さらにミステリーというより、沖縄の米軍基地やそれに絡んだ沖縄の人たちの苦悩などを描いていた社会派小説でしたので、ミステリーを期待して読んだ分、入り込めずに終わってしま...
表題とカバー画から重い不穏なミステリーと想像して読み始めたのですが、軽めな感じの流れでちょっと違和感が起きました。さらにミステリーというより、沖縄の米軍基地やそれに絡んだ沖縄の人たちの苦悩などを描いていた社会派小説でしたので、ミステリーを期待して読んだ分、入り込めずに終わってしまいました。ただ無差別に子供達を殺した作中の犯人に同情することも難しいし、基地問題等に何かを問うには、少し伝わりづらい作品だったかも…。
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結局、毒殺魔って私達なのかも知れません。 タイトルから想像していたものとは全く違いました。 ゴリゴリの社会派です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とても考えさせられるミステリだった。沖縄問題。 実際にこういう人もいるんじゃないかな。小説の中でなら主張しやすいのかも。 でも結局水貴の産んだ子が黒人だったってことは子供の父親は大城くんではなかったってこと?
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駆け出しのテレビマンである広川は、取材中に怪我をして療養中、二年前に利用したデリヘル嬢と偶然再会する。たちまちに彼女に恋をしてしまったが、彼女からは会えるのはこれが最後と言われてしまい、実際に彼女は仕事を辞めてしまった。焦がれるあまりに彼女の周辺や経歴を調べていくうちに、有名な建...
駆け出しのテレビマンである広川は、取材中に怪我をして療養中、二年前に利用したデリヘル嬢と偶然再会する。たちまちに彼女に恋をしてしまったが、彼女からは会えるのはこれが最後と言われてしまい、実際に彼女は仕事を辞めてしまった。焦がれるあまりに彼女の周辺や経歴を調べていくうちに、有名な建築家が毒殺される事件が起き、時を開けず公園で遊んだ子ども達もまた毒によって死亡する事件が起きる。彼女と事件に妙な繋がりを感じ、焦燥感にかられながら調査を続けるが……。 カバーとタイトルからは全く想定してないストーリーだったのでなかなか衝撃だった。沖縄の米軍基地問題にこんなふうに触れることになるとは。ほんとうにドキュメンタリーのようなタッチの文体だったこともあって、まるで本当にあった事件のように感じてしまった。でも同じ悲しみが実際にどこかにあるのかもしれない。基地とともに暮らす人々のことを、確かに遠いところの話として認識してしまっている現状を恥じた。ただそれはそれとして、前半は丁寧すぎてスキップしてしまったぞ。
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主人公が心惹かれた一人の女性。彼女が主人公の前から姿を消して間もなく起こった残忍な無差別毒殺事件。そして世間に突きつけられた、恐ろしいながらも悲しみに満ちた犯行声明。果たして彼女が犯人なのか、そしてその動機を追い求める重厚な味わいのミステリ。 ここで描かれる沖縄についての様々な事...
主人公が心惹かれた一人の女性。彼女が主人公の前から姿を消して間もなく起こった残忍な無差別毒殺事件。そして世間に突きつけられた、恐ろしいながらも悲しみに満ちた犯行声明。果たして彼女が犯人なのか、そしてその動機を追い求める重厚な味わいのミステリ。 ここで描かれる沖縄についての様々な事態って、なかなか耳に痛いことかもしれません。知識として知ってはいるし、重要な問題であるとは思うけれど。確かにあまり関係のないことのように思ってしまうのも事実。沖縄=リゾート、のイメージだけが強いのも確かです。 この犯行の動機となるとある人物の半生は、悲痛というほかなく。だからといってこの犯行が許されるものではないにしても、一概に非道な犯人だと責め立てる気にもなれず。重々しく、そして深く考えさせられる作品でした。
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あり得ないだろ!って突っ込みどころ満載の話だったが、スゴく力の入った作品。知らなかった沖縄の姿を思い知らされたような気がした。 でも、☆は3つかなと思っていたラスト、頭を殴りつけられたようなまさかの衝撃な事実が! いやぁ、参った。ちょっと贅沢な本かも。
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沖縄が過去から現在に至るまで抱える苦悩から生まれたマジムンたちが始めてしまった悲しい犯罪。ラスト数ページで新たにわかるどんでん返しが意外で、そう自分を偽らざるを得なかった彼女の気持ちに色々と考えさせられた。
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沖縄の米軍基地に関する問題提起としては非常に興味をそそられたが、主人公がどう見てもネトストだったり、男性作家が書いてるんだろうなぁというキモさが随所に感じられて、話にのめりこめなかった。
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語り手は東京のテレビ局勤務のディレクター広川英樹。広川は以前関係を持った風俗嬢リョウを再び自室に呼び、彼女のサービスを超えた優しさと知的さに魅了されてしまう。彼女が帰った後、有名建築家の名前と住所を記した紙片を見つける。しばらくして建築家死亡のニュースが…。広川は彼女が犯人では?...
語り手は東京のテレビ局勤務のディレクター広川英樹。広川は以前関係を持った風俗嬢リョウを再び自室に呼び、彼女のサービスを超えた優しさと知的さに魅了されてしまう。彼女が帰った後、有名建築家の名前と住所を記した紙片を見つける。しばらくして建築家死亡のニュースが…。広川は彼女が犯人では?と疑念を抱き、風俗店に連絡するも彼女は既に店を辞め、沖縄へ。建築家殺害事件の真相が判然としない中、東京の公園で4人の児童、大阪の公園で3人の児童と母親が正体不明の毒物で殺害される連続無差別殺人が起こる。この2つの殺人事件が意外な形で結びつく。執拗に彼女を追う広川。やがて彼女の身上に降りかかった災難を知ることになる…。 冴え渡った筆力は張りめぐらした伏線を巧みに回収しつつ沖縄の悲劇惨劇を一身に纏ったかのようなリョウの半生と事件の動機が語られていく。 オドロオドロしいタイトル通り連続無差別殺人のミステリーであるが、著者はミステリーという手法を借りて、先の大戦の最激戦地「沖縄戦」における酸鼻極まる殺戮とその夥しい無念の死。今なお後を絶たない米兵による殺人・暴行・強姦の被害現状を問う。 その昔「砂の器」を読んだ時と同じ興奮を抱きながら一気に読了。有り体に言えば骨太社会派ミステリー。
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