拾われた男装の令嬢 の商品レビュー
2004年初版の「庭園の誓い」を2016年に「拾われた男装の令嬢」と改題 行き場を失ったジェミーは、侍女のアニーのつてで見事に少年庭師を演じ、密かにリチャードに思いを寄せます。 なぜだか不幸な境遇の少年を気にかけてしまう自分を不思議に思いながらも、優しさを見せるリチャードなのです...
2004年初版の「庭園の誓い」を2016年に「拾われた男装の令嬢」と改題 行き場を失ったジェミーは、侍女のアニーのつてで見事に少年庭師を演じ、密かにリチャードに思いを寄せます。 なぜだか不幸な境遇の少年を気にかけてしまう自分を不思議に思いながらも、優しさを見せるリチャードなのです。 そんな成り行きを見守る前半と、後半は正体がバレてからの結婚と狙われる展開。 軽快なテンポでコミカルながらも、ヒロインのピンチには勇ましい彼が素敵です。慎ましい表現が良いロマ。 あらすじなど下記 http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-5402.html
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面白かったです。 最後までぐいぐいと見えない力に引っ張られるように読みました。「ヒストリカル」にジャンル分けされているように、ヒロインが生きた古き良き時代のイギリスの社会、時代背景などが緻密に描かれ、歴史に興味のある方も楽しめます。 また、もちろんハーレクインらしくロマンスも楽しめます。 この作品は実は今月、つまり12月の新刊です。最近は、私には珍しく新刊を買うことも増えてきました。つまりは、それだけ過去に遡って興味のあって読めそうな本はあらかた読み尽くして? きたのかなと思います。 ハーレクインのメルマガが届くので、毎回ではないけれどチェックして新刊の中に興味のあるタイトルがあればチェック、あらすじを読んで買うかどうか決めています。この作品はまさにツボにはまりそうな予感がしました。 ヒロインのジェミーことジェサミンは継母に虐げられ、実の父親には借金のかたに年上の欲深な男に嫁がされそうになります。身の危険を感じた彼女は深夜、男装して屋敷を飛び出し、そこで義母の解雇された屋敷の侍女スミザスに助けられ、彼女の弟ということで若く凛々しい伯爵リチャードの許、庭師見習いとして働くことになりました。 しかし、彼女を眼の仇にする先輩庭師のケーレブに殴られ気絶しているところをリチャードに介抱され、女性だいうことが露見。 そこから二人の秘めた恋が始まります。 ジェミーのために見せかけの結婚を申し出たリチャードの求婚を彼の誠意に申し訳なく感じ、かえって拒むジェミーですが、またしても父に連れ戻され嫌悪感しかいだけない婚約者の許に生け贄として送り込まれてしまいました。 危機一髪のところ、機転を利かせて火事を起こし、逃亡した彼女を追って燃える屋敷に飛び込んだリチャードは瀕死の状態になってしまい―。 ラストは感動的といえます。 ロマンス小説とはいえ、官能的な描写はあまりなく、二人が愛欲とは別次元(もちろん若い恋人同士ですから、いだいてる部分もありますが)で純粋に互いを思いやる姿には心打たれました。 真実の愛の前には、欲望などは取るに足りないものでしかなく、自分を犠牲にしても厭わないお互いを気遣う優しさしかないのだと、この物語りは教えてくれます。この二人の精神性の高さによって、非常に好感度の高い作品になっていると感じました。 大変、読み応えのある作品です。 あと、蛇足ですが、この作品は以前、刊行されたものを改題して再刊されたそうです。前回は「庭園の誓い」というタイトルだったそうですが、私は恐らく、そのタイトルではあまり惹かれなかったと思いました。今回も「男装の令嬢」というところにビビッと―笑 来たということも正直に付け加えておきます。
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