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兵神装備が進める中小ものづくり企業のブランド戦略 の商品レビュー

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2017/05/29
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我が神戸に、こんな面白い会社があったなんて・・・。縁あって手元にやって来た本。2時間で読めると渡されたのだが、結局2日間掛かってしまった。それほど分量が有るわけでは無いのだが、読み易い分、大切な事柄も見逃しやすい本になっている気がした。 固形物が交じったものや、高粘度の液体を、しかも量をコントロールしながら移動せせることができるモーノポンプを扱うメーカーのお話し。一般消費者にとってはほぼ目にすることの無い、所謂「B to B」の会社ながら、消費財メーカーに負けず劣らずの徹底ぶりで、「ブランド」を育成し、その効用をしっかり活かしている様子を、実例をあげながら、実務担当者である著者と研究者であるところの大学教授の解説とともに紹介してくれる本。 船舶の船底に溜まった油をくみ出すポンプからスタートして、魚の養殖の給餌やお菓子、今や産業用ロボットと組み合わせて自動車や精密機器にまで守備範囲を広げていたり。工場も機械メーカーとは思われないほど洗練されたデザインで、社員の環境を整えていたり。もちろん、肝心な製品においても他とは一線を画したデザイン性と機能性を兼ね備えたものを生み出している。 先進的というか「イノベーティブ」な会社であることが伝わってくるのだが、先代社長である創業者の「考え」が、実に本質を捉えている点が、目立たないけれど重要なように見えた。 ある本でマーケティングとは、競争しないでモノを売ることというのを見たことがあるのだが、正にそれを実現させているのがこの兵神装備であり、ファウンダーの「発想」の原点なのである。 タイトルにあるように、中小企業というカテゴリーにある会社だけれども、それほど遠くない将来その枠組みから抜け出しそうな予感は確かにある。 ただし、このブランディングの成功体験からさらに進化した指針を持てるかどうか、さらなるイノベーティブな動きに昇華できるかどうかだろう。

Posted byブクログ