賢者の石、売ります の商品レビュー
派手さはない、とても身近な話なのに、込められたメッセージは熱い 科学の力を信じるあまりに頑なになってしまう賢児が、再び科学を支える商人として、中長期計画案に向き合ってからの展開に引き込まれる 桜川のような上司は魅力的だ
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主人公は、いわゆる科学教の信者である。そのうえ他人と上手にコミュニケーションが取れない。正しいことを言うにしても言い方に問題があり、相手の立場を理解できない。その矛先が向かうのが似非科学なのだけれど、なぜか主人公の周りには似非科学の信者のほうが多い。お互いに不幸な状況だが、主人公...
主人公は、いわゆる科学教の信者である。そのうえ他人と上手にコミュニケーションが取れない。正しいことを言うにしても言い方に問題があり、相手の立場を理解できない。その矛先が向かうのが似非科学なのだけれど、なぜか主人公の周りには似非科学の信者のほうが多い。お互いに不幸な状況だが、主人公がもう少し穏やかな言い方をすればいいのにと、読者の立場としては忠告したくなる。忠告しても聞かなさそうだが。登場人物の中では、姉との関係が面白かった。姉弟って、こういうところがあるよなぁと思いながら読んだ。
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朱野帰子、2冊目。相変わらず不愉快なまでに現実の生活が思い出される。主人公は科学が好きだが、家電メーカーでマイナスイオンドライヤーの企画をしており、商人たろうとしていて、疑似科学が大嫌い。周りの登場人物は、科学の研究者、家電メーカでマイナスイオンドライヤを企画してヒットした人、事...
朱野帰子、2冊目。相変わらず不愉快なまでに現実の生活が思い出される。主人公は科学が好きだが、家電メーカーでマイナスイオンドライヤーの企画をしており、商人たろうとしていて、疑似科学が大嫌い。周りの登場人物は、科学の研究者、家電メーカでマイナスイオンドライヤを企画してヒットした人、事業部長、疑似科学が大好きな家族。ぐらいまでは書いてもネタバレではないだろう。疑似科学に対してキレすぎな点、STAP細胞という時事ネタ、描写や最後の風呂敷の畳み方は改善して欲しいが、筆者が書きたかっただろう話題に対しては、自分も考えるところがある。 マイナスイオンが人気ならばマイナスイオンドライヤーを売っていいのか?水素水が人気ならば売っていいのか?癌患者に対して病院を否定して安心と疑似科学を売りつけてよいのか?
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図書館の掲示板に貼られていた帯に惹かれ予約して借りた本。ルポだと思い込んでいたため、アニメチックな表紙に引いてしまったけど、なかなかおもしろかった。「未開人」の私は主人公の言動にイライラしながらも、そうだったのかーと気付かされた。マイナスイオンドライヤーだけでなく、パワーストーン...
図書館の掲示板に貼られていた帯に惹かれ予約して借りた本。ルポだと思い込んでいたため、アニメチックな表紙に引いてしまったけど、なかなかおもしろかった。「未開人」の私は主人公の言動にイライラしながらも、そうだったのかーと気付かされた。マイナスイオンドライヤーだけでなく、パワーストーン、母乳育児や宇宙まで内容盛りだくさん。世の中、科学では解明できないこともたくさんあると思うけど、宣伝に踊らされ、似非科学商品を買うのは止めようと思いました。
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科学が全てだった少年時代から空気の読めない子供であったが、大人になり、大手家電メーカーに勤める賢児は、過去に自分と家族を苦しめた似非科学を憎むあまり、人を傷つけてばかり。異動先の商品企画部で、主力のマイナスイオンドライヤーをこき下ろし、新商品の開発をするが当然、結果は…。共に科学...
科学が全てだった少年時代から空気の読めない子供であったが、大人になり、大手家電メーカーに勤める賢児は、過去に自分と家族を苦しめた似非科学を憎むあまり、人を傷つけてばかり。異動先の商品企画部で、主力のマイナスイオンドライヤーをこき下ろし、新商品の開発をするが当然、結果は…。共に科学に熱い情熱を燃やした少年時代の親友は科学者となっていて、再会するもまた理想と現実のギャップに悩む。本筋が解決されたとは言えないが、長年苦しみ続けた賢児に希望が持てるラストだった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「マイナスイオンドライヤーなどの美容家電製品は廃止すべきです」。 大手電器メーカーに勤める科学マニアの羽嶋賢児は、自社の目玉製品にダメ出しをするというタブーを犯し、最も行きたくなかった商品企画部に異動になる。 心から科学を愛する賢児は、似非科学的な効果を宣伝して売り上げを伸ばそうとする美容家電商品を許せなかったのだ。 だが正論を振りかざす彼は、鼻つまみ者扱いに。 まっすぐすぎる科学愛は、美容家電を変えることができるのか!? (アマゾンより引用) 何か最後、ちょっとじ~んと来た( ´ー`) この作家さん、好き
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科学に疎い人・似非科学を信じてしまう人を未開人と言い切る科学大好き少年がそのまま大人になる。まさに未開人なお姉さんが抜群にいいキャラ。大人になって理不尽なことばかりでも否定するだけじゃ何も進まないってことに、いいタイミングでいい仲間に出会って気付く。いい話だった。
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疑似科学(似非科学、ニセ科学)への批判・説得の難しさ。科学的正当性とは別のところにある人間心理。社会でお金を稼いで生きていくことと、賢者たる科学者のあるべき姿と現実。人生は擦り合わせの連続だが、理想を忘れてはいけない。 疑似科学の懐疑的批判者なら何度となく遭遇・自問していることが...
疑似科学(似非科学、ニセ科学)への批判・説得の難しさ。科学的正当性とは別のところにある人間心理。社会でお金を稼いで生きていくことと、賢者たる科学者のあるべき姿と現実。人生は擦り合わせの連続だが、理想を忘れてはいけない。 疑似科学の懐疑的批判者なら何度となく遭遇・自問していることが見事に物語として描かれている。7.75
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しっちゃかめっちゃか感があった。特に最後の方。怒ったら負け。嫌でも嫌いでも苦手でもそれで怒っちゃいけない。誰より楽しめた人がえらいっていうルールでわたしは生きている。
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内容は、似非科学と戦うエンジニアの話。 http://hon.bunshun.jp/articles/-/5380 似非科学というといかがわしいサプリメントなどの高額商品を想像して、いかにも騙される方がバカって感じだけど、結構どこにでも入る余地はある。 たとえば小説の中にもある...
内容は、似非科学と戦うエンジニアの話。 http://hon.bunshun.jp/articles/-/5380 似非科学というといかがわしいサプリメントなどの高額商品を想像して、いかにも騙される方がバカって感じだけど、結構どこにでも入る余地はある。 たとえば小説の中にもある「帝王切開すると母性が生まれない」なんていうのは何となく否定しにくい。 かといって帝王切開しなければない状態で胎児を危険に陥れる自然分娩が良いとはならない。 そういう日常生活レベルの話を割と丹念に描いる。 また、「理系=コミュ障」みたいな偏見も否定している。 親友の研究者が出てくるのですが、むしろプレゼンテーションをする機会が多くあるから、必然的にコミュ力は上がると。 一方で、旧来のイメージ通りの研究者も出てくるけれど。 それでも理系出身の人は、大真面目に正論を言って、家族や友人に煙たがられたり嫌われたりすることが一度はあるはず。 でもそういう人ではなく、むしろそれを聞くのが鬱陶しいと感じる人におすすめ。
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