紐結びの魔道師 の商品レビュー
繊細な表紙がまず好き。 いいなぁ、こういう魔法。 いいなぁ、この世界観。 しかし、どんな属性でも、どんな世界でも、描かれるのはやっぱり人間で。いろんな弱さ、いろんな強さを持ったいろんな人間で。それぞれ魅力的で、読み終えるのが勿体無くて、ことさらゆっくり噛み締めるように読みました...
繊細な表紙がまず好き。 いいなぁ、こういう魔法。 いいなぁ、この世界観。 しかし、どんな属性でも、どんな世界でも、描かれるのはやっぱり人間で。いろんな弱さ、いろんな強さを持ったいろんな人間で。それぞれ魅力的で、読み終えるのが勿体無くて、ことさらゆっくり噛み締めるように読みました。 至福。そして、読み終わったあとの充足感と、すぐ後に訪れる喪失感。ええ本に会うと、嬉しいねんけど、読み終わるのがツラいわ。
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紐結びの魔導師・リクエンシスの物語。 今までの魔導師シリーズと比べて“闇”の部分が少なく、エンス、ことリクエンシスの魔導師っぽくない飄々としたキャラもあって、素直に楽しく読める短編集。 エンスの編み出す、“紐結びの魔法”も手作り感覚で好きですね。 そして、温かな気持ちになるラス...
紐結びの魔導師・リクエンシスの物語。 今までの魔導師シリーズと比べて“闇”の部分が少なく、エンス、ことリクエンシスの魔導師っぽくない飄々としたキャラもあって、素直に楽しく読める短編集。 エンスの編み出す、“紐結びの魔法”も手作り感覚で好きですね。 そして、温かな気持ちになるラストも素敵です。
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紐結びの魔導師リクエンシスを主人公にした6編の短編集. エンスの茶目っ気のあるおおらかな人間性,魅力満載です.相棒のリコも味のある愛すべき爺さんである.
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ひとりの魔導師、リクエンシスを追った中編集。最後の、三百歳以上になった彼の砂漠の旅「魔導師の憂鬱」が良かった。 オーリエラントはファンタジーだ。でも、気象や生活は現実のどこかに依っている。ところが長く生きた人の気持ちは、どこにも手本がない。それを、なんとも自然に描いているのがすご...
ひとりの魔導師、リクエンシスを追った中編集。最後の、三百歳以上になった彼の砂漠の旅「魔導師の憂鬱」が良かった。 オーリエラントはファンタジーだ。でも、気象や生活は現実のどこかに依っている。ところが長く生きた人の気持ちは、どこにも手本がない。それを、なんとも自然に描いているのがすごいと思った。憂鬱で気力も衰えているエンス、ところがべつの長生き魔導師であるケルシュに会ったことで、また若いニーナの存在もあって、また希望を持つようになる・・・ 「器を満たせ、お若いの。この星々の光でおのれをいっぱいにすることだ」
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オーリエラントの魔導師シリーズの最新作。紐結びの魔導師リクエンシスの物語。 単行本『オーリエラントの魔導師たち』で読んだ時にはあった紐結びの魔導師の話が、文庫ではなくなっててショックだったけど、まさか単独で一冊になるとは!しかも書き下ろしがたくさんで読み応え十分で満足!! 相棒...
オーリエラントの魔導師シリーズの最新作。紐結びの魔導師リクエンシスの物語。 単行本『オーリエラントの魔導師たち』で読んだ時にはあった紐結びの魔導師の話が、文庫ではなくなっててショックだったけど、まさか単独で一冊になるとは!しかも書き下ろしがたくさんで読み応え十分で満足!! 相棒との出会いやそれ以前の冒険、そして新たな相棒の話にワクワクしながら読みました。やっぱりこのシリーズ大好きです(≧∀≦)
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今までの中で一番好き。 というか、穏やかな時間が流れているようで、とても心温まる感じがした。 人との出会いと別れ、何百年も生きる魔道師には、普通の人間よりもそれが多く、つらい経験も多いと思うけれど、最後のケルシュの助言に救われたんだろうな。 私も小さい頃、魔法を空想していた。 ...
今までの中で一番好き。 というか、穏やかな時間が流れているようで、とても心温まる感じがした。 人との出会いと別れ、何百年も生きる魔道師には、普通の人間よりもそれが多く、つらい経験も多いと思うけれど、最後のケルシュの助言に救われたんだろうな。 私も小さい頃、魔法を空想していた。 私の場合、魔法で本の中に入り込んで、シャーロック・ホームズとワトソンと一緒に事件を解決する。みたいな空想だった(笑)
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“オーリエラントの魔道師”シリーズと銘打たれていて、 前に読んだ「夜の写本師」と同じ歴史の流れと世界観に属するこの本、紐を様々に結ぶことで魔法をかけていく紐結びの魔道師リクエンシスの冒険譚。 冒険と書いたものの派手な活劇の場面は少なく、どちらかと言えば、悠久の時を生きる魔道師の人...
“オーリエラントの魔道師”シリーズと銘打たれていて、 前に読んだ「夜の写本師」と同じ歴史の流れと世界観に属するこの本、紐を様々に結ぶことで魔法をかけていく紐結びの魔道師リクエンシスの冒険譚。 冒険と書いたものの派手な活劇の場面は少なく、どちらかと言えば、悠久の時を生きる魔道師の人生と彼とともに生きた人に対する振り返りのお話。 後半に行くに従って内省の色が濃くなるが、300年もの生を受け、自分より後に生まれたものに先立たれ、人生を回顧し、その生の虚しさに倦んだエンスが、再び生への執念を燃やす『子孫』や『魔道師の憂鬱』が味わい深くて良かった。
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これまでの権力争いや自分の命をかけての魔法対決ではなく、日々の暮らしの中で、幸せを願うために紐を結んだり、誰かのために紐を結んだり…穏やかなトーンの物語が紡がれていた。 エンスの相方であるリコと出会い、ともに旅をし生活をしてきた中で、エンスは無限の命ではなく、有限であることにほ...
これまでの権力争いや自分の命をかけての魔法対決ではなく、日々の暮らしの中で、幸せを願うために紐を結んだり、誰かのために紐を結んだり…穏やかなトーンの物語が紡がれていた。 エンスの相方であるリコと出会い、ともに旅をし生活をしてきた中で、エンスは無限の命ではなく、有限であることにほのかな憧れとあきらめを見出す。 エンスの選択に心がほんのり温かくなった。
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シリーズ最新作。 これまでの長短編の中では一番明るい内容で、将来への希望が明確なラストだった。シビアな環境に抗う主人公が多かったので、シリーズ中では異色だとも言える。
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※このレビューにはネタバレを含みます
好きだなあ。おそらくシリーズ中で一番好き。 何百年も生き続けなくてはならない魔道師たちの 苦悩と悲哀を感じて切なくもあるけれど エンスの生き方のひょうひょうとしたところが 心地いい。 帝国の権力者や私利私欲に目のくらんだ魔道師たちと 魔法を正しく行おうとする魔道師たちの凄惨な戦いも いわゆる王道ファンタジーとして心躍ったが この物語の時代には帝国の力は衰え なんとなく 人々がつましくも平和に暮らしている ゆるゆるした 空気感があって それに包まれる感覚が好き。 何よりもほとんど血は流れず 人が死なないのがいい。 一方で 普通の人間たちの短くも穏やかな一生を エンスはどこかで渇望している。 日々出会う小さな美しいものへの感動を 積み重ねて暮らしたいと願っている。 盟友リコの死の危機に直面したことで エンスの中に深まってゆく エンスだけの苦悩が 手に取るように伝わってくる。 彼の孤独を癒せる者は もうこの時代にはいない。 そう思っていたところに 物語は魔道師たちの 長い歴史を巻き戻すかのように 太古の昔へと 回帰してゆく。懐かしい色合いを帯びてゆく。 エズキウム。ギデスディンの魔道師ケルシュ。 第1作「夜の写本師」へと 歴史はめぐり エンスの心に生きることの喜びがよみがえる。 素敵なラストでした。 懐かしさと人間らしさと魔道師の誇り。 このシリーズでわたしの心を最もとらえた 場面はやはり ケルシュとエンスの邂逅でした。
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