直島から瀬戸内国際芸術祭へ の商品レビュー
『#直島から瀬戸内国際芸術祭へ』 ほぼ日書評 Day634 草間彌生の「カボチャ」アート、あるいは安藤忠雄の地下美術館、そこに納められたモネの大作、杉本博司や宮島達男の現代アート、多くの有名作品で知られる「直島(なおしま)」ゆかりのエピソードと、多くのアート作品の写真で構成さ...
『#直島から瀬戸内国際芸術祭へ』 ほぼ日書評 Day634 草間彌生の「カボチャ」アート、あるいは安藤忠雄の地下美術館、そこに納められたモネの大作、杉本博司や宮島達男の現代アート、多くの有名作品で知られる「直島(なおしま)」ゆかりのエピソードと、多くのアート作品の写真で構成される、見ているだけでも楽しくなる一冊だ。 さて、本書を読むまで浅学にして知らなかったのだが、本書の著者でもあるベネッセの福武總一郎がプロデューサー(実質上のスポンサー)として関わった瀬戸内の島々というのは、直島の他にも、豊島、犬島、女木島、男木島…等、数多い。 それぞれが、元はハンセン病患者の隔離施設であったり、産廃の投棄場であったりと、負の歴史も抱えつつ、アートを軸に新たなステージへ進むことができたというエピソードが語られる。 文章としては全体の3割ほどだが、福武氏の著述パートは圧巻だ。 アート作品を欲しいと思う観点は何か? オークションで落とし損ねた作品を、改めて落札者に交渉して入手したり、モネの大作を入手するまでの粘着質ともいえる交渉等、そこだけでノンフィクションが一冊書けそうだ。 氏の提唱する「公益資本主義」という考え方は、今日以降、アートに携わる人に取って、福音となる可能性大な着想だ。すなわち、企業が公益財団を設立し、財団がその株式会社の大株主となる。そして、その配当金を原資として、財団が社会に貢献できる文化活動を行う。都度都度、頭を下げて金策に走る必要を無くす。 相続対策として持株会社を作ることと、技術的には同じことになるはずだが、そのカネの使い道が全く異なることになるわけだ。 https://amzn.to/3A3M7YR
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