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流しの公務員の冒険 の商品レビュー

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2017/02/09

著者は、総務省官僚出身でありながら、ほとんど霞ヶ関には在籍せずに、各地の自治体を渡り歩き、「流しの公務員」を自称する異色の公務員である。著者は、「流しの公務員」を、「各地を渡り歩き、求めに応じて、単身、地方行政の現場に飛び込み、関係者を巻き込み、その潜在力を引き出しながら、問題を...

著者は、総務省官僚出身でありながら、ほとんど霞ヶ関には在籍せずに、各地の自治体を渡り歩き、「流しの公務員」を自称する異色の公務員である。著者は、「流しの公務員」を、「各地を渡り歩き、求めに応じて、単身、地方行政の現場に飛び込み、関係者を巻き込み、その潜在力を引き出しながら、問題を解決していく『行政の職人』」と定義している。本書では、「流しの公務員」としての、「死人病院」と陰口をたたかれた常滑市民病院の再生、行政官としての基本技術をたたき込まれた霞ヶ関での日々、仕事の流儀を磨いた大分県久住町での実践、人としてのあり方を変えてくれたトイレ掃除との出会いといった経験が語られている。 特に、白丹公民館の話が面白く、感動的ですらあった。 官僚がみんなそのようではそれはそれで困るが、著者のような「流しの公務員」という存在は素敵だなと感じた。また、改めて公務員の仕事の面白さを感じた。著者はあまりなじめなかったようだが、衆議院法制局や自治省選挙課での「法文制作技術者」としての著者の経験も、非常に面白そうでやりがいがあるように感じた。 公務員の仕事において、関係者を巻き込み、その気にさせるということの重要性も感じた。そのために、著者のように、ワークショップの手法を用いることは効果的であると感じた。ただ、ファシリテーターとしての能力が問われることになろう。 著者のように、「わたしの仕事は(自分の名前)です」といえるような仕事をしていきたいと思う。

Posted byブクログ