欧州複合危機 の商品レビュー
後半の「今後のゆくえ」についての考察部分は自分にはよく分からなかった(評価のしようがなかった)が、各危機の各論解説的な前段…ユーロ、難民問題、安全保障、イギリスのEU離脱…については、日頃ニュースに触れて「何となく」分かっているようでよく分かっていなかった内容について整理して理解...
後半の「今後のゆくえ」についての考察部分は自分にはよく分からなかった(評価のしようがなかった)が、各危機の各論解説的な前段…ユーロ、難民問題、安全保障、イギリスのEU離脱…については、日頃ニュースに触れて「何となく」分かっているようでよく分かっていなかった内容について整理して理解することが出来、大変に有用だった。特に、ちょうど先に同じ中公新書の『ポピュリズムとは何か』を読んでいたのが…背景となるコンテクストが踏まえられ…よかったように思う。
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EUの歴史から、ブレグジット後の世界まで、整理されて書かれていると思う。 EUすごい!という雰囲気の中、地理を学んだ時の高校生の記憶からは、かなり印象が変わってきているのだなと感じた。 問題解決のための手段だったEUから、問題としてのEUへ。 EUについて、ざっくり知るためには十...
EUの歴史から、ブレグジット後の世界まで、整理されて書かれていると思う。 EUすごい!という雰囲気の中、地理を学んだ時の高校生の記憶からは、かなり印象が変わってきているのだなと感じた。 問題解決のための手段だったEUから、問題としてのEUへ。 EUについて、ざっくり知るためには十分な一冊だと思う。
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英国のEU離脱による欧州に与える影響について書かれた本。少々難しいところもあるが、欧州の歴史とともに、現在のEUが抱える課題を整理してくれる。大きな権力となったEUが、何を解決すべきか分かるのだが、特効薬的な解決策がないのが、現在のEUが持っている課題の一つだ。異なる文化、言語、...
英国のEU離脱による欧州に与える影響について書かれた本。少々難しいところもあるが、欧州の歴史とともに、現在のEUが抱える課題を整理してくれる。大きな権力となったEUが、何を解決すべきか分かるのだが、特効薬的な解決策がないのが、現在のEUが持っている課題の一つだ。異なる文化、言語、民族が統合するのは簡単ではなく、長い時間が必要だ。人間の一代くらいでは足りないのだと思う。もっと長いスパンで欧州統合を考えなければならない。長期的な目で物事を見ないと、できることもできないし、不安定さから戦争などの危機にもなるだろう。欧州のゴタゴタを見ると、いかに地球上が不安定な状態で人間が生活しているのかが分かる。本書が執筆されたころはまだトランプが大統領に就任していない。筆者は2017年1月の状況を見て何を思うのだろうか。欧州状況は良い方に向かうのだろうか。
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通貨、難民、安全保障、BrexitをEUにとっての複合的な危機と捉え、その全体像と歴史的文脈への位置付け、そして今後の展開を議論する。300ページ弱の中に相当な情報が詰め込まれていて、読むのにはそれなりの時間と気力が必要だった。しかし、ヨーロッパ、あるいはEUが置かれている状況を...
通貨、難民、安全保障、BrexitをEUにとっての複合的な危機と捉え、その全体像と歴史的文脈への位置付け、そして今後の展開を議論する。300ページ弱の中に相当な情報が詰め込まれていて、読むのにはそれなりの時間と気力が必要だった。しかし、ヨーロッパ、あるいはEUが置かれている状況をつかみ、分析的な視座を得ることができる。時事的なだけでない、広い視点をもたらしてくれる。
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初めてドイツに行ったのは東西統合されてユーロに切り替わった直後だった。EUは色々と煩いことをいうやつだなと思っていたくらいだった。EUについてほとんど何も知らなかったことが良くわかった。とてもためになる本だった。
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単にスピード感だけで時事のことを扱う、内容の薄い新書も多い中、本書は本当に質の高い新書だと思います。EUが今抱えてるいろいろな問題について、それぞれ丁寧にここにいたる経緯や状況の変化を説明してくれます。 内容が本当に盛りだくさんでまだまだ咀嚼できてない(いい意味でもう一度読みた...
単にスピード感だけで時事のことを扱う、内容の薄い新書も多い中、本書は本当に質の高い新書だと思います。EUが今抱えてるいろいろな問題について、それぞれ丁寧にここにいたる経緯や状況の変化を説明してくれます。 内容が本当に盛りだくさんでまだまだ咀嚼できてない(いい意味でもう一度読みたい)のですが個人的には、シェンゲンであったりユーロであったり目に見えるメリットを与えてくれていたEUが、まさにそのメリットである部分から大いに問題(ユーロ危機、難民問題、テロリストの問題)が生じてしまっているということが一番大きいのかなとこの本を読んで感じました。一方で、欧州か議会というものに対して直接選挙ではあるが遠い存在であり、メリットではなくさまざまな規制や財政規律を守ることへの強い圧力、テロリストの流入の危険などデメリット部分ばかり強く感じられるようになってしまったという状況があるということが感じられました。この辺が、ブレクジットや各国でのEU懐疑派の躍進につながっていると。 通読して自分も少し現実的になれたのかな、という気がします。今までEUというものはどちらかというと素晴らしいものだな、と思っていたので、これまでもいろいろなせめぎ合いがあって結構理想と現実の狭間をうまく通ってきているんだな、と思われて。 総じて、EUの現状や今後を知る上でとてもいい入門書のように思いました。おすすめです。
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欧州で起きている問題についてまとめた本。具体的には、難民問題、イギリスのEU離脱、反EU政権の誕生の傾向など。 個人的に、欧州で起きている様々な変化は、現状に不満を持つ人々が増えたことにあると感じていたが、本書でも同様の見解がなされていた。しかし、それぞれについて事例の背景が紹介...
欧州で起きている問題についてまとめた本。具体的には、難民問題、イギリスのEU離脱、反EU政権の誕生の傾向など。 個人的に、欧州で起きている様々な変化は、現状に不満を持つ人々が増えたことにあると感じていたが、本書でも同様の見解がなされていた。しかし、それぞれについて事例の背景が紹介されており、今後の展望まで触れていることは本書の価値を上げている。また、最新の政治学の理論や知見に触れつつ、現状を分析しているのも良いところだと思う。
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一九九三年に誕生し、単一通貨ユーロの導入などヨーロッパ統合への壮大な試行錯誤を続けてきたEU(欧州連合)。だが、たび重なるユーロ危機、大量の難民流入、続発するテロ事件、イギリスの離脱決定と、厳しい試練が続いている。なぜこのような危機に陥ったのか、EUは本当に崩壊するのか、その引き...
一九九三年に誕生し、単一通貨ユーロの導入などヨーロッパ統合への壮大な試行錯誤を続けてきたEU(欧州連合)。だが、たび重なるユーロ危機、大量の難民流入、続発するテロ事件、イギリスの離脱決定と、厳しい試練が続いている。なぜこのような危機に陥ったのか、EUは本当に崩壊するのか、その引き金は何か、日本や世界への影響は……。欧州が直面する複合的な危機の本質を解き明かし、世界の今後を占う。
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