1,800円以上の注文で送料無料

ノスタルジー1972 の商品レビュー

3.5

17件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2017/02/11

「1972年」をテーマに、濃い内容のアンソロジー。 どれもその年に絡めたフィクション&エッセー(皆川先生のの一篇はおそらくデビュー当時を回想したものかと)で読みごたえがあり、非常に面白かった。 全体的にほろ苦い…… 冒頭の中島氏「川端康成が死んだ日」はなかなかにクル。 そして敬...

「1972年」をテーマに、濃い内容のアンソロジー。 どれもその年に絡めたフィクション&エッセー(皆川先生のの一篇はおそらくデビュー当時を回想したものかと)で読みごたえがあり、非常に面白かった。 全体的にほろ苦い…… 冒頭の中島氏「川端康成が死んだ日」はなかなかにクル。 そして敬愛する皆川先生のデビュー前後のあれこれを読めたのは幸せ。

Posted byブクログ

2017/01/15

川端康成の自殺、沖縄の返還、札幌オリンピック、パンダ来日、残留日本兵。いろんなことがあった年のいろんな出来事。

Posted byブクログ

2017/01/15

1972年の出来事を巡る6編を収録したアンソロジー。 ノスタルジーと付くから、昭和の時代を懐かしむ軽めの話かと思いきや、中島京子の巧みな冒頭の作品でがつんとやられた。川端康成の名はタイトルで示されているだけで、ストーリーに登場するのも一瞬だけ。なのに偏屈な彼の、もしかしたらあっ...

1972年の出来事を巡る6編を収録したアンソロジー。 ノスタルジーと付くから、昭和の時代を懐かしむ軽めの話かと思いきや、中島京子の巧みな冒頭の作品でがつんとやられた。川端康成の名はタイトルで示されているだけで、ストーリーに登場するのも一瞬だけ。なのに偏屈な彼の、もしかしたらあったかもしれないと思わせる行動が重要な役割を果たしている。 次の早見和真は初の作家だったが、沖縄返還を中心に据えた骨のある作品だった。オチも愉快。 皆川博子だけは、ご自身の回顧録のような内容だが、好きな作家なのでデビュー当時のいきさつをうかがい知ることができて興味深かった。 個人的にも、札幌オリンピック、元日本兵の帰還、初パンダなど、ああそういう年だったかと、かすかな記憶を手繰り寄せながら読めるのはやはり楽しい。 テレビに向かって「笠谷~!」と叫びながらジャンプの応援をしていた母、テレビでの浅間山荘事件の緊迫した生中継に「ずっと同じ画面でつまらない」と言ったら父に叱られたことなど、忘れていたひとコマがよみがえってきた。確かにあの時代、今とは違う家族とともに私は生きていたんだと思うと、感慨深い。小説とともに、個人的なノスタルジーを味わえる一冊だった。 さて2017年は、将来どんな出来事が語り継がれる年になるのだろう。よい1年でありますように。

Posted byブクログ

2016/12/27

+++ 1972。何かが終わり、すべてが始まった年。豪華執筆陣がノスタルジーとともに今に繋がる日本を描き出すクロニクルアンソロジー。 +++ 「川端康成が死んだ日」中島京子  「永遠!チェンジ・ザ・ワールド」早見和真  「空中楼閣」朝倉かすみ  「あるタブー」堂場瞬一  「あの年...

+++ 1972。何かが終わり、すべてが始まった年。豪華執筆陣がノスタルジーとともに今に繋がる日本を描き出すクロニクルアンソロジー。 +++ 「川端康成が死んだ日」中島京子  「永遠!チェンジ・ザ・ワールド」早見和真  「空中楼閣」朝倉かすみ  「あるタブー」堂場瞬一  「あの年の秋」重松清  「新宿薔薇戦争」皆川博子 +++ 1972年、思えばいろんなことがあったものである。日本はまだまだ古い時代を引きずりながらも、貪欲に上を目指し、ほんとうの自由を手に入れようともがく若者たちを横目で見ながら、民衆はそれまで通り地道に暮らしていた。激動と日常が同居していたのがあの時代だったような気がする。それぞれスポットが当たる場所は違うが、どの物語もそんな時代の雰囲気が、懐かしく思い出される。読む人の年代によってずいぶん印象の違う一冊でもあるだろう。

Posted byブクログ

2016/12/21

1972(昭和47年)を描いた短編アンソロジー。 6人の作家中同時代を生きて活動していたのは1人だけで、あとは子供か生まれていない。  中島京子は子供の視点で当時はやっていた物、早見和真は沖縄返還のさなかの女子高校生、朝倉かすみは札幌オリンピックをカラーテレビで見守る家族と中卒...

1972(昭和47年)を描いた短編アンソロジー。 6人の作家中同時代を生きて活動していたのは1人だけで、あとは子供か生まれていない。  中島京子は子供の視点で当時はやっていた物、早見和真は沖縄返還のさなかの女子高校生、朝倉かすみは札幌オリンピックをカラーテレビで見守る家族と中卒就職、堂場瞬一は外務省機密漏洩事件の影をまとう新聞記者を描いている。  重松清の「あの年の秋」は中国から贈られたパンダとジャングルから帰還した日本兵、「恍惚の人」となりかける老母と戦争の犠牲になった長兄と末弟と共に行った動物園の記憶をからめて出色の掌編。  皆川博子は70年安保、アングラ演劇や前衛映画の時代の中で、新人賞に応募して作家活動を始め、72年に『海と十字架」を出版した状況を綴っていておもしろい。

Posted byブクログ

2016/12/08

中島京子、早見和真、朝倉かすみ、 堂場瞬一、重松清、皆川博子 がそれぞれ描く1972年。 1972年当時を思い出すネタに溢れていました。 一作を除いて、当時の空気感を感じることができました。 鎌倉、沖縄、札幌、取材事件、上野、新宿。 この中で、沖縄問題だけは、進展していない。残念...

中島京子、早見和真、朝倉かすみ、 堂場瞬一、重松清、皆川博子 がそれぞれ描く1972年。 1972年当時を思い出すネタに溢れていました。 一作を除いて、当時の空気感を感じることができました。 鎌倉、沖縄、札幌、取材事件、上野、新宿。 この中で、沖縄問題だけは、進展していない。残念。

Posted byブクログ

2016/12/07

なんで1972年なのかはわからないし、44年前って結構中途半端な気もするけど、なるほど1972年だ。 今にも通じる話でもあるし、やけに懐かしい話でもある。 ノスタルジー1972、懐かしき良き時代!

Posted byブクログ