比ぶ者なき の商品レビュー
不比等のやりように吐き気をもよおす。自分なら、ここまでして頂点にたちたくない。現代の社会のありようと全く同じ。人の顔色をみたり、策をねったり、捻じ曲げたり、一瞬の緩みが命とりになる恐ろしさ。 永きに渡り勢力をのばしてきた藤原家の事が知りたくて読んだ本だが、ここでは不比等の野望と...
不比等のやりように吐き気をもよおす。自分なら、ここまでして頂点にたちたくない。現代の社会のありようと全く同じ。人の顔色をみたり、策をねったり、捻じ曲げたり、一瞬の緩みが命とりになる恐ろしさ。 永きに渡り勢力をのばしてきた藤原家の事が知りたくて読んだ本だが、ここでは不比等の野望と押し通すさまが描かれている。
Posted by
4人の天皇に仕えつつ、思いのままに操りつつ、外戚として繁栄した藤原氏の基礎を作った藤原不比等の話。 筋の通った悪党ぶりが、むしろ清々しかったです。 現在の皇統に繋がる歴史を作ったと言える、藤原不比等を世に知らしめる良書だと思いました。
Posted by
読み応えありました~。 不比等、すごい人ですね。 近くにいたら嫌かも。 不比等が自分が死んだ後の世の中のことをどう思っているのか知りたいです。 それから、不比等以上に好きなのは、持統天皇。 あの信念を貫き通すあの強さは見習いたい。 けど、孤独な人生となったのかな? このあたりの歴...
読み応えありました~。 不比等、すごい人ですね。 近くにいたら嫌かも。 不比等が自分が死んだ後の世の中のことをどう思っているのか知りたいです。 それから、不比等以上に好きなのは、持統天皇。 あの信念を貫き通すあの強さは見習いたい。 けど、孤独な人生となったのかな? このあたりの歴史は大好きです。 大河ドラマで取り上げてくれないかしら?
Posted by
直木賞作家・馳星周さんが書く初めての歴史小説ということで期待して読みました。 日本の律令制度を作ったとされる藤原不比等の物語。 読み進めているうちに、この本のタイトル『比ぶ者なき』がなるほどー!と思えるのです!
Posted by
奈良時代史を見ていて、不比等がなぜこのように権力を握っていったのかは知らなかった。なるほど、こういう仕組みだったのか。戦国時代の繰り返し語られる歴史ではないから、その分、新鮮な大きな驚きを多く得た。むろん、馳史観が「真実」というわけではないのだろうが。引き込まれる「創作」。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
★2018年11月6日読了『比ぶ者なき』馳星周著 評価B+ 中臣鎌足の子で平安時代の藤原氏繁栄の実質の祖とも呼べる藤原不比等のあくなき権力欲の物語。最近読む馳星周の作品は、暴力サスペンスの大家のイメージからほど遠い、全く異なる別の作家ではないかと思うくらい違う作風を見せていて驚かされる。(私が分かっていなかっただけか!) 藤原不比等は持統天皇に協力、その息子草壁皇子を王座に就けようとするも、皇子は689年に病死。 その後、草壁皇子の長男の軽皇子が、持統天皇から譲位されて、持統太上天皇の院政のもと15歳で天皇の位に就く。 持統天皇以前は、皇族の中で男系で兄から弟への皇位継承が行われてきた。しかし、女性だった持統天皇以降は無理を押してでも、親から子、孫へ皇位継承する方向に持統天皇と藤原不比等が推し進めたというのが、この物語の中心。 そのためには、古事記と日本書紀もそのように作りこみ、書き換え、子、孫が小さければ、それまでのつなぎに皇后が天皇につくことまで行う。かつ、藤原家の娘が天皇家へ正妻でなくとも嫁ぐように、宮子、光明子と縁戚をつなぎ、首皇子すなわち聖武天皇を生ませ、娘を皇后につけることに成功する。 宮廷の中で絶大な権力を好きなままに振る舞い、多くの皇族をも恐れさせた藤原不比等は、その天才的な政治センスで藤原氏繁栄の基礎を一代で築き、かつ、その息子たちに権力を継承させることに成功する。(藤原武智麻呂、房前(ふささき)、宇合(うまかい)、麻呂(まろ)の四兄弟) また、仏教伝来に大きな影響を与えた政治的大物だった蘇我馬子の功績も、聖徳太子という虚像を作ってまでその功績をすり替えて、徹底的に蘇我氏を歴史上から抹殺しようとしたという説に則った物語になっている。
Posted by
藤原不比等を中心として描かれる、奈良時代を舞台とする歴史小説です。藤原不比等が作ろうとした藤原の世の中・・・結局、聖武天皇の皇后である光明子が産んだ男子が天皇となることはなく・・・。藤原不比等の魅力を余すことなく、描いています。
Posted by
え、この人、歴史小説書いてたんだ!ぐらいの気持ちで読み始めたけれど、不比等という人は今まで馳星周が描いてきた主人公たちと規模は違えど性格的には似ているのかな、と。天皇退位とか新天皇即位とかのごのご時世にこういうテーマの小説を読むといろいろ思ってしまう。藤原不比等なんて鎌足の息子、...
え、この人、歴史小説書いてたんだ!ぐらいの気持ちで読み始めたけれど、不比等という人は今まで馳星周が描いてきた主人公たちと規模は違えど性格的には似ているのかな、と。天皇退位とか新天皇即位とかのごのご時世にこういうテーマの小説を読むといろいろ思ってしまう。藤原不比等なんて鎌足の息子、ぐらいの認識しかなかったけど、こんな人たっだんだねぇ・・・!
Posted by
藤原不比等の駆け引き.政治を神話から作り変える息の長い壮大な計画.鸕野讃良との共謀からの長い長い生き様は,まさしく不比等の名はふさわしい.会話で進むので劇を見ているような感もあり,一気に読めた.
Posted by
一介の役人であった藤原不比等は持統天皇に気に入られ頭角を表す。頭脳明晰な道代を娶り二人で政権の高みを目指す事を誓う。軽、続いて首を帝位につけさらには藤原一族の恒久的な繁栄の礎を築こうと権謀術策を巡らす。合戦のような派手なシーンは無いが行き詰まる会話の駆け引きに手に汗をにぎる。馳星...
一介の役人であった藤原不比等は持統天皇に気に入られ頭角を表す。頭脳明晰な道代を娶り二人で政権の高みを目指す事を誓う。軽、続いて首を帝位につけさらには藤原一族の恒久的な繁栄の礎を築こうと権謀術策を巡らす。合戦のような派手なシーンは無いが行き詰まる会話の駆け引きに手に汗をにぎる。馳星周はそのあたりがじつにうまい。
Posted by
- 1
- 2