太平記(六) の商品レビュー
西源院本に現代文でも分かるよう、訳と注を配置している。 足利義詮が二代目将軍になり京奪回、北朝・後光厳帝は 修造が成った内裏へ還幸する。 だが、将軍方と南朝の争いは変わらず、幕府内でも対立が。 それでも細川清氏の討死、鎌倉公方へ謀反した畠山道誓の死、 大内弘世、山名時氏父子の帰順...
西源院本に現代文でも分かるよう、訳と注を配置している。 足利義詮が二代目将軍になり京奪回、北朝・後光厳帝は 修造が成った内裏へ還幸する。 だが、将軍方と南朝の争いは変わらず、幕府内でも対立が。 それでも細川清氏の討死、鎌倉公方へ謀反した畠山道誓の死、 大内弘世、山名時氏父子の帰順、仁木義長の降参、 上杉憲顕の返り咲きと、時代は徐々に変化していく。 特に権勢を誇った斯波道朝(高経)が、佐々木道誉との 対立と讒言で追い落とされ、病死してしまう。 変化と共に時の流れも止まらず、北朝・光厳上皇の死、 更には、鎌倉公方・足利基氏と二代将軍足利義詮の兄弟が 相次いで亡くなり、管領・細川頼之による10歳の若君(義満)を 補佐した幕府運営が始まる。 ・凡例 ・全巻目次 第三十七巻 第三十八巻 第三十九巻 第四十巻 ・付録『太平記』記事年表6 [解説6]『太平記』の影響――国家のかたち ・人名索引有り。 南北朝時代が舞台の歴史読み物「太平記」はこれにて完結! 最終巻も凶事続出。天変に旱魃、琵琶湖の水位低下、地震、 京には大鹿が出たり、生首が転がったり、物付きの童が出現と。 当会不相応な中殿御会は出席者の名前たっぷりだったけど、 前日に天変が起こり、当日は天龍寺が炎上してしまってます。 荒ぶるのは武士ばかりでなく、興福寺の強訴や南禅寺対三井寺、 興福寺対延暦寺と、僧も戦っていますね。死人出てるし。 「史記」や「大智度論」「漢書・李陵列伝」等の登場も多め。 それにしても足利基氏26歳、足利義詮38歳の死は早過ぎる。 で、10歳の若君(義満)を補佐しする管領・細川頼之の政治が 始まることで、終了となります。 付録の『太平記』の影響は、徳川家康の立場や徳川光圀の 『大日本史』、更には南朝正統論や国体、尊王攘夷にまで 及んでいるということでした。 南朝対足利政権の戦記物語として読むと面白かったです。 それにしても幕府内での権力争いの凄まじいこと。 これが応仁の乱、戦国時代にまで続いていくんだなぁ。
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この巻はわずか200ページであり、足利義満を保護する新田氏の下りでハッピーエンドであるがそれはわずか1ページである。その後の解説には太平記の江戸時代における武士の指南書としての役割と江戸後期の攘夷までの関連が書かれている。
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