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人事評価はもういらない の商品レビュー

3.7

10件のお客様レビュー

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2022/03/09

タイトルは過激。しかし読めば納得。いかに自分が固定観念に囚われていたかを思い知らされてしまった。 本書の発行は2016年である。 果たして2016年を振り返ると、この時点で自分がこの発想に至っただろうか。 当然著者自身の発想というよりも、アメリカの流れなどを事例に沿って説明をして...

タイトルは過激。しかし読めば納得。いかに自分が固定観念に囚われていたかを思い知らされてしまった。 本書の発行は2016年である。 果たして2016年を振り返ると、この時点で自分がこの発想に至っただろうか。 当然著者自身の発想というよりも、アメリカの流れなどを事例に沿って説明をしてくれているものだ。 つまり2016年以前、もっと前にアメリカの有名企業はMBOからとっくに転換していたのである。 そんなことも知らずに、今までの目標管理制度(MBO)を全く疑いもなく実施していた自分が恥ずかしい限りだ。 毎年毎年目標設定する時は「こんなものに意味はない」と思いながら、いざ設定したらMBOの存在自体も忘れてしまう。更に言うと設定した目標そのものも忘れてしまう。 それで半年や一年後に振り返ったところで、忘れている当人からしたらそんなものは存在していないに等しい訳だ。 これで会社全体の業績なんて良くなる訳がない。 実際は当社(私)が特殊なだけで、MBOが正しく運用できている会社も沢山あるとは思う。 さらに補足すると、私の所属する会社はそんなMBOを正しく運用出来ていないのに、当時の業績はそこまで悲惨な状況ではなかった。(まぁまぁ良かったということだ) だからMBOのこの状況を疑いもしなかったのだろう。 しかしながら冷静に考えると、当時業績が悪くないからと言って、売上が10倍になった訳ではない。 利益が100倍に増えた訳でもない。 つまり経営状態は悪くはなかったが「全く成長していない」という状況になっていたのだ。 それを許してしまっていたのだ。 これが日本全土で行われていたとしたら、日本経済が拡大できなかった理由もよく分かる。 もちろん、今では「成長すればいいという訳ではない」という別の理屈も出てきている。 ESGやSDGsなどもその流れであるが「いたずらに成長を目標とせず、別な社会課題の解決を目標とする」のもよく分かる。 しかし、我々の状況は単に「成長しようと真剣に考えてなかった」ということなのだ。 「成長したらいいな」とは思っていた。その程度だ。 心の底から「何が何でも増やしてやる!」という意気込みではなかったのが正直なところだ。 それで何とかなっていた時代はもうとっくに終わった。 成長だけが目的ではないのだが、現状維持すら難しい状況なのは確かだ。 もう様々な過去のものを抜本的に見直す時期なのだと思う。 未来がどうなるかは想像できない部分も多いのだが、少なくとも現状維持はあり得ない。 過去の成功にしがみつくのは今すぐ止めるべきなのだ。 そういう意味で著者の提言は正しいと思う。 結局企業とは「人」で成り立っている。 どの経営者も同じことを言うが、本当の意味で人材活用を実践出来ている企業はどれだけあるのだろうか。 人事というのは本当に奥が深い。 特に「人事戦略」が経営で最も大事なポイントと言える。 どういう手法で、どういう手順で人を採用し、育てていくのか。 それらをどう配置させ、企業にとっても本人にとっても能力を有効に活用するのか。 そのためにも「人事制度はもういらない」なのだ。 「制度」の問題ではないのである。 限られたリソースを形骸化したMBOに振り向けてはいけない。 我々はもっと真剣に考える必要性に迫られているのだ。 今のままでは各企業の優秀な人材が沈没していってしまう。 タイムリミットは本当に残り少ないのである。 (2022/3/7)

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2021/12/04

概念は理解できるが具体的なソリューションが明確になっておらず、制度企画担当としては期待を越えていない

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2020/08/10

評価制度の問題について指摘した本であるが、まさにそのとおりだと思う。自分の経験からもやはり実績評価とピープルマネジメントを切り離さないといけないと思う。いまは本当に人を育成する観点で時間をさけていない。

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2019/06/12

成果主義、年次の目標、評価制度に疑問を呈していふ書。 海外は人をレイティングすることに限界を既に感じているらしいとは 知らなかった。形骸化しつつ、部下との対話のタイミングになっているのは確か。 評価制度がなくなったら、マネージャーの部下との対話力がより一層求められる という点は強...

成果主義、年次の目標、評価制度に疑問を呈していふ書。 海外は人をレイティングすることに限界を既に感じているらしいとは 知らなかった。形骸化しつつ、部下との対話のタイミングになっているのは確か。 評価制度がなくなったら、マネージャーの部下との対話力がより一層求められる という点は強く同意

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2018/10/26

どんな評価をしようとも,高く評価された人はやる気を増し,低く評価された人はやる気を落とす.チームとして最高のパフォーマンスを得るにはどうすれば良いか?少しはヒントが得られそうである.

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2018/10/08

今、アメリカい企業は人事の年次評価を廃止することで、高い生産性と競争力を実現しようと方向へ転換している。従来のやり方が個人や組織のパフォーマンスの向上につながっていないとみなされ始めたからである。 背景には、以下の要因がある。 − 環境変化のスピード: 1年先の目標設定では時間...

今、アメリカい企業は人事の年次評価を廃止することで、高い生産性と競争力を実現しようと方向へ転換している。従来のやり方が個人や組織のパフォーマンスの向上につながっていないとみなされ始めたからである。 背景には、以下の要因がある。 − 環境変化のスピード: 1年先の目標設定では時間軸が長過ぎる。 − メンバー同士のコラボレーション: 社員のランク付けはその阻害要因となる 効果が無い割には、評価のために大量の書類を作成し、長時間の会議を行うなど、時間とコストがかかる。 新たなパフォーマンスマネジメントは以下の5つの原則である。 1.リアルタイム :年次を廃止し、必要なときに機敏に目標設定とフィードバックを行う 2.未来志向:過去の評価よりも、その人の中長期的な目標について話し、未来に向けた成長を促す 3.個人起点:これまでは会社→部門→個人へのブレークダウン。現場における機敏な判断がなければ、不確実な環境変化に対応できない 4.強み重視:画一的なプロセス管理は多様性のメリットを失わせる。個人によって異なる強みを重視するべき。ドラッカーが言うように、大きな成果は強みからしか生まれない 5.コラボレーション促進:メンバーの競争ではなく協力を促進する。

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2017/11/14

集団の年次的管理やMBOなどの人事管理から、社員個人を対話的にみるピープルマネジメントへの移行を訴えており共感する面が多々あった。

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2017/07/14

年次評価をやめると言う驚くべき制度の紹介もさることながら、いつの間にウチの会社見に来たの?と言いたくなるほど現状の評価制度の問題点を正確に記述している。形骸化した目標管理と面談、徒らに複雑化する評価基準と報酬の算出式、差をつける事が目的化した考課、競争のパラダイム支配による協働意...

年次評価をやめると言う驚くべき制度の紹介もさることながら、いつの間にウチの会社見に来たの?と言いたくなるほど現状の評価制度の問題点を正確に記述している。形骸化した目標管理と面談、徒らに複雑化する評価基準と報酬の算出式、差をつける事が目的化した考課、競争のパラダイム支配による協働意欲の低下など、ひどい有り様だ。MBOはそもそも労働コストを下げるために導入されたもので、その意味では効果を上げたのだろうが、最近は会社の成長を阻害する本質的なデメリットだけが表出しているように思える。 ここに来てNo Ratingが現実的な選択肢として北米で運用されていることに衝撃を受けた。こりゃダメだ。日本企業は絶対に彼らに勝てっこない。それも単に年次評価をやめるのではなく、ピープルマネジメントのための手数のかかる新たな施策を試行していて、ウチの会社じゃ逆立ちしても真似できないよなぁと暗澹たる気持ちになった。 そもそもこんなトレンドがあることすら不勉強な人事部や担当役員は知らないだろう。技術系社員は専門分野の最新技術を追いかけるのに日々努力しているのに、彼らにはそんなプロ意識はかけらもない。これじゃ彼我の差は開くばかりだ。

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2017/02/26

タイトルはやや釣り気味だが、内容は納得で面白かった。 ITでいえば開発現場がアジャイルで回しているのだから、評価(この本的には評価と言ってはいけないのかもだが)もアジャイルに、というのは納得。 あと、この本でも「心理的安全」に言及されていて、チームがパフォーマンスを発揮するために...

タイトルはやや釣り気味だが、内容は納得で面白かった。 ITでいえば開発現場がアジャイルで回しているのだから、評価(この本的には評価と言ってはいけないのかもだが)もアジャイルに、というのは納得。 あと、この本でも「心理的安全」に言及されていて、チームがパフォーマンスを発揮するために重要なファクターだということを改めて感じた。

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2017/01/23

印象に残ったポイントは以下の3つ。 ・パフォーマンスマネジメントは、ウォーターフォールではなくアジャイルにすべき ・アジャイルにするためのツールを導入すべき ・心理的安全を確保すべき 心理的安全と、甘やかしの間のバランスが難しいのですが、一回読んだだけでは理解出来なかったので、も...

印象に残ったポイントは以下の3つ。 ・パフォーマンスマネジメントは、ウォーターフォールではなくアジャイルにすべき ・アジャイルにするためのツールを導入すべき ・心理的安全を確保すべき 心理的安全と、甘やかしの間のバランスが難しいのですが、一回読んだだけでは理解出来なかったので、もう一回読みます。

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