EUは危機を超えられるか の商品レビュー
本書は、明治大学国際総合研究所のEU研究会での議論の成果をまとめたものである。このEU研究会には、学者、エコノミスト、官僚OB、ジャーナリストなどEU問題に関する第一線の研究者が参加している。巨象であるEUは、どの角度でとらえるかによって、まったく違ってみえる。多面的で複眼的な見...
本書は、明治大学国際総合研究所のEU研究会での議論の成果をまとめたものである。このEU研究会には、学者、エコノミスト、官僚OB、ジャーナリストなどEU問題に関する第一線の研究者が参加している。巨象であるEUは、どの角度でとらえるかによって、まったく違ってみえる。多面的で複眼的な見方をしない限りEUの全体像はとらえられない。最大の岐路にあるEUがどこに向かうのかを考えるうえで、EU研究会での幅広く徹底した討議は極めて有益であった。 本書は、EUの歴史を踏まえ現場感覚をもってEUの現状と将来を構造分析することをめざした。EU研究会には欧州駐在経験者が多く、現場意識が鮮明だったのが大きな特徴だ。ブリュッセル、フランクフルト、パリ、ロンドンなどEUの主要都市だけでなく、ギリシャやウクライナなど危機の現場にも取材に出かけた。単なる「EU悲観論」を超えた幅広い視野を読者に提供することをめざしたからだ。
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