現代思想(44-20 2016) の商品レビュー
うつ病にしても解離性障害にしても境界性パーソナリティ障害にしても、病いの極期ではなく、症状が相対的に軽減しその病いが不全型を呈した頃に、自殺が遂行されてしまうのである。これにはさまざまな解釈が可能である。病いの症状そのものが死に対する防波堤となっていて、その症状が緩むことで死が現...
うつ病にしても解離性障害にしても境界性パーソナリティ障害にしても、病いの極期ではなく、症状が相対的に軽減しその病いが不全型を呈した頃に、自殺が遂行されてしまうのである。これにはさまざまな解釈が可能である。病いの症状そのものが死に対する防波堤となっていて、その症状が緩むことで死が現実化するのかもしれない。あるいは、病気の極期でゃ病者はただただ病いの苦悩に耐えているのだが、治療が進み症状が軽減してくると現実の生活の困難が見えてくることで、逆に生きることに絶望してしまうのかもしれない。
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