私の幽霊 の商品レビュー

朱川湊人(著者)

2017/04/27

この世の中は未知の存在に満ちていて、人間の知ってることなんか、広い世界のほんの一部に過ぎない。朱川湊人さんの「私の幽霊」、２０１６．１１発行です。私の幽霊、きのう遊んだ子、コロッケと人間豹、紫陽花獣など連作6話。人間が豹に変身したり、紫陽花が歩いたり・・・。朱川さんの世界ではありますがｗ、私は、昭和ロマンの方が好きです(^-^)

2017/03/21

本のタイトルが幽霊だったので、おどろおどろしい内容かと思ってたら…あれれ、ファンタジー系！？連続短編集が進めば進むほど、ライトノベル風なタッチに。主人公のニーチェ女史が離婚も経験すみの立派な大人でキャリアウーマンなんだから、もうちょっと重厚な読み物でも良かったかなぁという感じがしました。

2017/03/04

　残念ながら人間は二千年かけても、本物の神に会うことはできなかった――つまりは、そういうことだ。
(P.109)

この広大な世界に関して人間の知っていることなんて、ごくごく一部に過ぎませんよ。
(P.109)

2017/01/25

ホラーというには怖くなく、でもファンタジーというほど甘くもなく。少し不思議な現象を扱った連作短編集。しんみりほっこり、そして少しおかしくもあって。こういう奇妙な出来事なら、実際にあってもいいのかも。
お気に入りは「きのう遊んだ子」。一見不気味にも思えた怪異の優しさ。そしてラストのなんとも言えない切なさが印象的でした。現実が厳しいだけに、優しさ切なさがじんわりと深くしみいるような心地です。
コミカルな「コロッケと人間豹」も好き。なんといっても「冥の水底」に登場したあの一族がまた登場するなんて！　そして彼女のキャラクターがまた絶妙。人外の存在であっても、ぜひお友達になりたいです。

2017/01/21

切なさの残るお話ばかりですが私の幽霊は自分の心の中以外の場所に想いを残すくらい強い気持ちが永遠に残っている恋ってたまらない気持ちになります。
世の中には不思議としか言いようのないことがあります。
頭ごなしに否定するのは簡単。でもそういうわからないことをそのまま受け入れて認めるという考え方もあるんだ…と思わせられる物語。
栖さんから影響を受けていくニーチェは自分の今の気持ちをちゃんとわかっているんですね。
めでたしめでたしだといいな。

2017/01/07

常識には思い描けない不思議さ。もしかしたら本当に起こり得るのではないか。どの話も不気味さを控えて描かれていたのでそう思えた。

2016/12/30

+++
人が知ってることなんて、
ほんのちょっとだけなんだよ。

なぜ私の幽霊が目の前に――!?
怪しき博物学者と解き明かす超常現象の謎。
あなたはその真相に涙する。

故郷に住む高校時代の同級生聡美から「あなたの幽霊を見た」と告げられた“ニーチェ女史"こと雑誌編集者・日枝(ひえ)真樹子。
帰郷して幽霊が出たという森の近くまで行くと、そこには驚きの光景が……。
怪しき博物学者・栖(すみか)大智(だいち)と謎すぎる女・曲(まが)地(ち)谷(や)アコとともに、常識を超えた事件の謎に挑む。

切なさ×不思議全開ミステリー!

■第一話 私の幽霊
■第二話 きのう遊んだ子
■第三話 テンビンガミ
■第四話 無明浄
■第五話 コロッケと人間豹
■第六話 紫陽花獣
+++

文化人類学の要素たっぷりで、しかもそれが日常の謎として提起されているというのが興味深い。犯罪でも事件でもない謎の出来事の数々。それを解き明かすと、切なく愛おしい物語がそこにあるのだった。探偵役は編集者のニーチェ女史こと日枝真樹子と、ふとした出会いから彼女が頼りにするようになった博物学者の栖大智。本作は登場人物紹介の要素も多分にあるので、シリーズ化されるのだと思うが、今後どんな不思議な出来事に出会えるのか、そしてどうやって解き明かしていくのかが愉しみになる一冊である。

2016/12/24

「常識外事件簿」というか、ちょっと信じがたいような不思議な出来事が詰まった１冊。
主人公のあだ名が「ニーチェ」だったり、栖（スミカ）さん、アコちゃんのキャラがユニークで、コミカルな印象。
でも、「私の幽霊」の正体や「山っ子」など、切ないような懐かしいような結末が待っている。だから、朱川さんが好きなのだ。アコちゃんは、ユニークを通り越してぶっ飛んでいる感があるけど（笑）

2016/12/16

高校時代の友人から「あなたの幽霊をみた」なんて連絡があったら…。
うげー、何事！！！　だね。
本当に自分なのか確かめに行かなくては。
植物の仕業だったとしてもびっくりするぅ。
縁のある人とはこうやって偶然に出会って、その後があるものなんだな。
『コロッケと人間豹』のアコちゃん。バンテンする話は他でも読んだな〜、朱川作品だったか？
不思議な能力があってもいいじゃないか、それが個性だもん。コントロールするのが難しそうではあるが。コロッケ食べたい。

2016/12/14

【収録作品】私の幽霊／きのう遊んだ子／テンビンガミ／無明浄土／コロッケと人間豹／紫陽花獣　
ソフトな都市伝説的不思議譚。その裏にある人間の姿が恐ろしい。見え隠れする「虐待された（されている）子ども」の姿。サチの単純な善良さに救われる。