史記 列伝(4) の商品レビュー
その冴え渡る筆に感情が一新するを覚えた。司馬遷は事実の描写に努めているとはいえ、また姦淫か、また利欲かと言わんばかりに人間の業を眺めている。一方で、傑出した人間を見出すにもやぶさかではなく、卓越した治績に対して常にその人となりをも観察している。その意味で人を見出す眼差しは広範囲に...
その冴え渡る筆に感情が一新するを覚えた。司馬遷は事実の描写に努めているとはいえ、また姦淫か、また利欲かと言わんばかりに人間の業を眺めている。一方で、傑出した人間を見出すにもやぶさかではなく、卓越した治績に対して常にその人となりをも観察している。その意味で人を見出す眼差しは広範囲にして鋭い。司馬遷自身も辛酸を舐めてますます筆は冴え渡ったのだろう。
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