林業がつくる日本の森林 の商品レビュー
環境関係の本に限って言えば、日本の林業や森林資源について書かれた本は、どれも読んでいてはなはだもどかしい。世界でも有数の森林国でありながら、その貴重な資源は決して活かされているとは言えない現実が語られるからだ。その原因は、日本の林業の遅れと、国としてのビジョンのなさ、背策の乏しさ...
環境関係の本に限って言えば、日本の林業や森林資源について書かれた本は、どれも読んでいてはなはだもどかしい。世界でも有数の森林国でありながら、その貴重な資源は決して活かされているとは言えない現実が語られるからだ。その原因は、日本の林業の遅れと、国としてのビジョンのなさ、背策の乏しさである。本書の筆者は、発刊時点で80近い高齢である。それだけに、半世紀にわたって森林生態系と造林の研究に携わってきた人間として、目指すべき日本の未来への熱い思いが、繰り返し繰り返し述べられている。
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『我々が求めるべき社会は「持続可能な循環型社会」である。持続可能であるためには生態系に順応した循環型社会を目指さなければならない。』という一文から始まり、第一部で日本の森林・林業の現状と問題点を整理。第二部でその問題を解決するために必要なことは何か、第三部新たな森林管理のために必要なこと、第四部豊かな日本の農山村と社会を目指してとまとめられています。 特に「日本の森林は市民、国民から離れてしまっている」という指摘には山側も真剣に対策を考えて行かなければと思います。森林環境教育や木育、森のようちえん、森林浴、様々な形で森林や林業に関心を持ってもらうための取り組みが大切かと思います。 良い本に出会えて感謝です。
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