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老乱 の商品レビュー

4.1

61件のお客様レビュー

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2020/04/12

主人公の幸造が認知症を患いその視点から物語は始まるが交互に嫁の視点からも語られるため介護される側、する側の両方の気持ちが感じられる。 幸造はボケ防止に日記をつけているのだがだんだんと病気が進むにつれ文章が正しく書けなくなってくる。とても切ない。 介護は綺麗事ではなしえない。自...

主人公の幸造が認知症を患いその視点から物語は始まるが交互に嫁の視点からも語られるため介護される側、する側の両方の気持ちが感じられる。 幸造はボケ防止に日記をつけているのだがだんだんと病気が進むにつれ文章が正しく書けなくなってくる。とても切ない。 介護は綺麗事ではなしえない。自分がされる側する側どちらかになる時が来ても想定通り、予想通りにはならないだろう。その時が来たら覚悟するのみ。ありのままを受け入れる。簡単なことではないけど。 この本の最後のように感謝の気持ち、恩返しの気持ちで介護し、また介護されるのは理想だろうけど自分にそれができるか、自分は感謝される様な人間になれるか自信はない。 だけどこの本を読んで良かった。表面しか知らない介護の中身を少しだけ知れたように思う。 解説も良いですね。

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2019/10/05

妻を亡くし独居する78歳の老人。そして近くに住んで見守る40代の息子夫婦。徐々に認知症となっていく当人の視点と家族の視点で描いた物語。この家族の行く末は…。

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2019/06/14

年を取ったことで自分ではうまくいかないことでもなんとかしようとする、失敗を隠そうとする。家族に迷惑をかけたくない一心で。自分の親もきっとそうするだろうと思いました。私だってきっと…。認知症の出始めた肉親に対し、それが進まないようにと何とかしようとすることが、介護する側の都合だと割...

年を取ったことで自分ではうまくいかないことでもなんとかしようとする、失敗を隠そうとする。家族に迷惑をかけたくない一心で。自分の親もきっとそうするだろうと思いました。私だってきっと…。認知症の出始めた肉親に対し、それが進まないようにと何とかしようとすることが、介護する側の都合だと割り切れるまでの夫婦の葛藤が痛々しくもとてもリアルに響いてきました。少なくとも私はこの本を読んだから例え自分がどちらの立場になっても読む前より少しだけ心構えが違うでしょう。辛い読書でしたが読んだ甲斐はあったと思います。

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2019/03/19

図書館で。ところでこれ、なんて読むんだろう。ロウラン?オイラン?カナが欲しい。 シビアで色々と身につまされる。おじいちゃんの気持ちもわかるし、お嫁さんの気持ちもワカル。けどどちらもちょっと自分本位だなぁと思う所があるし。難しい。そしてどこかズレている息子(笑)その辺りすごいリア...

図書館で。ところでこれ、なんて読むんだろう。ロウラン?オイラン?カナが欲しい。 シビアで色々と身につまされる。おじいちゃんの気持ちもわかるし、お嫁さんの気持ちもワカル。けどどちらもちょっと自分本位だなぁと思う所があるし。難しい。そしてどこかズレている息子(笑)その辺りすごいリアル(笑) どちらかというとおじいさんの方が被害者・弱者として描かれている気がするけれども、高齢者も被害者意識にとらわれず老いや認知症を本人がきちんと受け止めて、周囲と共にどうやって生きていくかというのをもう少し具体的に考えた方が良いのではないのかな、なんて思いました。老化体操や認知症対策を取っていたってなる時はなるんだし。まだまだボケとらん、まだ大丈夫、では無くて実際自分で自分の面倒が見られなくなった時にどうするのかという事を感情論ではなく冷静に家族と話し合うのが一番だろうなぁ、と。まぁ言うは易し、行うは難し、でしょうねぇ… でもこのお嫁さん良くやってると思う。こんな通ってくれないよ、ウン。しかも仕事持ってる人だったら。大変大変。 いくつになっても子供は親に無自覚に甘えているんだろうなぁ、それが甘えられる立場になるとうろたえるのかな、なんて思ったりしました。 追記:親だって自分が仕事している間に子供を託児所や保育園に預けてきたのだから一人暮らしが出来なくなった際に親の方が施設に預けられるのは仕方ないんじゃないのかな、と思ったり。子供が保育園行きたくない、家に居たいとゴネた時に「じゃあ仕事辞めて子供と一緒に居るよ」という選択が出来た(経済的・子供のために)親はどれだけ居たのか。(昔は専業主婦が多かったけれども。結局介護も女性の仕事と押し付けてないか?)子供は20年で成人(今は18年か)するけど老後は終わりはわからないものなぁ~ 思い通りに生きられる人なんて老若問わず中々居ないのだろうからある程度は現実を受け入れないとですよね。

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2019/02/06

久坂部羊氏の本は2冊目。 文章がスッと入ってくる。認知症の話が 当人の立場で書かれていて怖くなる。 在宅訪問医療に携わっていたということで患者の様子も家族の様子も詳細である。 嫁がキツ過ぎて あんまりだったが、最後はお義父さんに寄り添う形になってホッとした。 早く寝たきりに...

久坂部羊氏の本は2冊目。 文章がスッと入ってくる。認知症の話が 当人の立場で書かれていて怖くなる。 在宅訪問医療に携わっていたということで患者の様子も家族の様子も詳細である。 嫁がキツ過ぎて あんまりだったが、最後はお義父さんに寄り添う形になってホッとした。 早く寝たきりにしてしまおうというのも怖いけれど、認知症を治さないと、と家族が状態を受け入れないのも本人は辛い。 認知症の専門医の和気先生の、「相手に求めたり批判的な気持ちになるのは、自分の都合に執着しているせいです。(中略 )自分を抑えて、相手の状況に従う。そうすれば軋轢がなくなって穏やかな介護になるでしょう。」が響く。

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2019/01/02

認知症に対して、世間で一般的に言われている綺麗ごとに対して、そのベールを一枚一枚剥ぐように否定していき、認知症に対しての希望というものを失わせ、絶望的にさせる。 最後だけ取ってつけたように、穏やかに死んでいくのも、納得できない。 これが事実かも知れないが、読んでいて気分が悪くなる...

認知症に対して、世間で一般的に言われている綺麗ごとに対して、そのベールを一枚一枚剥ぐように否定していき、認知症に対しての希望というものを失わせ、絶望的にさせる。 最後だけ取ってつけたように、穏やかに死んでいくのも、納得できない。 これが事実かも知れないが、読んでいて気分が悪くなる。 後味の悪い感じが消え去らない。

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2018/11/05

読み進めるのがつらい本でした。 でも読んで良かった。 自分の親、配偶者の親、自分自身、置き換えて考えさせられる、大切な一冊になりました。

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2018/10/23

あまりにもリアルタイム過ぎて、ちょっときつかった。でも、うちの親もそんな風に、考えているんだろうな。

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2018/09/22

認知症が進行して行く男性が物語テラーの形の異質な介護小説なので興味深く読了しました。多数の人に訪れる認知症だが渦中の語り手が恐れや悩みや悔しさ等を日記に綴ることで抗ったり受容したり確認したりする体裁が取られている。医師であり作家でもある作者の伝えたいことが分かりやすく語られていま...

認知症が進行して行く男性が物語テラーの形の異質な介護小説なので興味深く読了しました。多数の人に訪れる認知症だが渦中の語り手が恐れや悩みや悔しさ等を日記に綴ることで抗ったり受容したり確認したりする体裁が取られている。医師であり作家でもある作者の伝えたいことが分かりやすく語られていますね♪ つい過日読んだばかりの「長いお別れ」と併せて凄く理解できる小説でした。そして他人事ではなく誰もが遭遇する可能性の高い終末に思いを至すひとときでした。

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2018/08/27

これからの日本のホラー。 一人で暮らす老いた男と、その男の息子の嫁とで視点が切り替わりながら進んでいきます。 痴呆に侵され、まだらな記憶に怯える男 夫に義父の痴呆に対する懸念を訴えてもとりあってもらえない、同居も難しい嫁 どうしようもできない恐ろしさに怯えながら読み進めました...

これからの日本のホラー。 一人で暮らす老いた男と、その男の息子の嫁とで視点が切り替わりながら進んでいきます。 痴呆に侵され、まだらな記憶に怯える男 夫に義父の痴呆に対する懸念を訴えてもとりあってもらえない、同居も難しい嫁 どうしようもできない恐ろしさに怯えながら読み進めました。 早く安楽死や尊厳死を認めるべきだと思う。。。 後半著者にしては少し救いのある展開と終わり方でした。 親、子供、看る側も看られる側も読んでおいて損はないんじゃないでしょうか。

Posted byブクログ