昭和十八年の冬 最後の箱根駅伝 の商品レビュー
額賀澪「タスキ彼方」を読み、資料的裏付けが欲しくて、こちらも読了。 いずれまとめるつもりなので、とりあえず、これにて終了。
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あとがきのあと「最後の箱根駅伝」 早坂隆氏 戦時下の大会 その白熱と涙 2016/12/11付日本経済新聞 朝刊 正月の国民的行事、箱根駅伝。100年近い歴史のなかで、昭和18(1943)年の第22回大会に焦点をあてて書いた。戦時下で41~42年は中止に追い込まれるも、こ...
あとがきのあと「最後の箱根駅伝」 早坂隆氏 戦時下の大会 その白熱と涙 2016/12/11付日本経済新聞 朝刊 正月の国民的行事、箱根駅伝。100年近い歴史のなかで、昭和18(1943)年の第22回大会に焦点をあてて書いた。戦時下で41~42年は中止に追い込まれるも、この年に復活。しかし学徒の出征が迫り、走者は「駅伝が終われば戦争」と悲壮な覚悟で東京―箱根間を走り抜けた。その全貌に丹念な取材で迫った。 戦争もののノンフィクションをライフワークにし、スポーツを通じて描くのは2010年の『昭和十七年の夏 幻の甲子園』など3作目。背景にあるのは「戦後が長くなって『戦争は悲惨だった』とただ書いても今の読者に伝わらない」という問題意識だ。 「戦時を生きた人は自分とは違うと考えてしまう」とみており、「それでも『当時の人も甲子園や箱根駅伝に熱中していた。そんな人たちが戦争に巻き込まれた』とつづれば、読者も身近に感じて伝わりやすくなる」と期待を込めて語る。 昨年から取材を始め、走者や家族、主催する関東学生陸上競技連盟の関係者らに話を聞いた。本書では抜きつ抜かれつで白熱した第22回大会をドキュメントで振り返りつつ、選手一人ひとりの生い立ちや駅伝への思い、大会後に出征した戦地での体験を織り込んだ。 全11校がゴールした場面で、本書はクライマックスを迎える。どの選手も学校に関係なく泣いて抱き合い「戦争へ行っても、箱根のことを忘れずに頑張ろう」と励まし合った。ある走者が後に回想した「あんなに美しい大会はなかった」という言葉も書き留め、時代の影をにじませている。 本書を発表して「戦争のドラマや思いを一人でも多く記録し、残す」という決意がさらに強固になった。経験者の高齢化が進むため「この数年が直(じか)に話を聞ける最後のチャンス」と、余暇を返上して取材に走り回る日々を続けている。(中央公論新社・1800円) (はやさか・たかし)1973年生まれ。ノンフィクション作家。日本の戦争をテーマに執筆する。著書に『祖父の戦争』『永田鉄山』『昭和十七年の夏 幻の甲子園』『鎮魂の旅』など。
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今日の隆盛の陰で、何があったのか? 戦時下で中止に追い込まれた大会が、なぜ復活を遂げたのか? およそ100年に及ぶ時を刻み、今や正月の「国民的行事」となった箱根駅伝。だが、戦時下で「最後の箱根駅伝」と呼ぶべき大会が催されていた事実は、あまり知られていない。生き証人となった元ランナ...
今日の隆盛の陰で、何があったのか? 戦時下で中止に追い込まれた大会が、なぜ復活を遂げたのか? およそ100年に及ぶ時を刻み、今や正月の「国民的行事」となった箱根駅伝。だが、戦時下で「最後の箱根駅伝」と呼ぶべき大会が催されていた事実は、あまり知られていない。生き証人となった元ランナーたちや関係者への丹念な取材を通じて、戦前最後の昭和18年大会、そして戦後の復活大会の真相に迫る。新たな史実を掘り起こすスポーツノンフィクション。
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