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宮沢賢治童話全集 新装版(5) の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2024/05/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あふれるオノマトペ。 水仙月の四日を目当てに借りた訳だが、全編読み終わって一番心に残るのはやはりよだかの星だった。 ストーリーの切なさをその筆致がさらに盛り上げる。映画のようなフィナーレと小説らしい最後の1行。何度も読み返した。 花巻は母方の祖父が最期を迎えた場所で何度か訪れているが、その地を踏んだ時よりも月夜のでんしんばしらやシグナルとシグナレス、水仙月の四日を読む方が祖父をリアルに感じた。家出をし花巻で駅弁売りをして生計を立てていた祖父。母が子どもの頃に亡くなっているので、当然私は遺影でしか知らないが何故か寒風の中で声を張り上げる祖父が浮かんでしょうがなかった。 物語としては氷河鼠の毛皮が面白かったかな。児童文学らしさに溢れ、すかっとした気持ちで読み終えた。

Posted byブクログ

2021/07/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

Sound Horizonの『よだかの星』を聞いてから、気になっていたので読んでみる。 その醜い容姿から、皆の嫌われもののよだか。 ある日鷹から、明後日までに改名しないと殺すと脅される。 弟のかわせみに別れを告げ、空へ上ってゆくよだか。 太陽や星のところへ連れていってとお願いするも悉く拒否され、その度にうちのめされながらも、何度も何度も空へ上る。 ついに、渾身の力で空へ上がり、よだかの星となる。 周囲の鳥たちからひどいことを言われ、鷹からは改名を強いられ、めじろの雛を助けても感謝されず、挙げ句は盗人のように扱われ、つらいと嘆くよだかの悲しみが真っ直ぐに響く。容姿が悪いというだけでここまでひどい扱いを受けるものなのか… そのつらさから逃げるためなのか、よだかは空を目指す。 何度も空へ上るよだか。私にはこれがよだかの生きざまに思えた。鷹に挑もうにも、爪もするどい嘴もないよだかでは歯が立たない。 ならばせめて、誰も傷つけない、自分の真っ直ぐな生き方を、皆に見せつけてやる。高い叫び声は、そう言っているような気がした。 他の作品は、返却期限が迫っていたので『カイロ団長』と『月夜のでんしんばしら』だけ読了。 『カイロ団長』は、トノサマガエルがアマガエルたちを奴隷にし、キャパオーバーな仕事を与えるが、王様の命令でその仕事がもっと大きくなってトノサマガエルに降りかかる話。因果応報、教訓的な話。悪いことはしちゃだめだね。 『月夜のでんしんばしら』は、恭一という主人公が線路を歩いていると、電信柱の兵隊と黄色いじいさんに出会う話。電信柱は歩きながら軍歌を歌い、じいさんはこの兵隊をとりまとめる。汽車が来ると、電信柱は動かないふりをして、じいさんは列車の下へ潜り込み、汽車へ電気を届ける。ディズニー映画のような、なんとも不思議な話だった。

Posted byブクログ

2018/09/11

読むほどに凄い。言葉の使い方、言い回し、コミカルで、時に幻想的なアイデアの数々。この巻では「月夜のでんしんばしら」が非常に気に入り、毎日ドッデデ、ドッデデ、言ってます。(笑)とにかくオノマトペが凄いです。

Posted byブクログ