キリスト教一千年史(下) の商品レビュー
主に古代キリスト教を専門とする著者による,1世紀のナザレのイエスから西暦1000年ごろまでのキリスト教世界をまとめた本。内容自体は世界史の知識の延長線上で読むことができ,そこでは見過ごしてきた出来事やものを知ることができる。
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下巻。やっぱり人物名がぜんぜん頭に入ってこないんだけど、大まかな流れはつかめてきた感じがする。この先の歴史は何を読もう…。
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988年のキエフでのルーシ人ウラジーミルの洗礼までの歴史を詳述する。まず5世紀初めのネストリウス(コンスタンティノープル司教)とキュリロス(アレクサンドリア司教)の神人論の対決から。教理の確立するまでの論争が、当時はいすれも信仰者として尊敬されていた当事者間で行われたことが、今で...
988年のキエフでのルーシ人ウラジーミルの洗礼までの歴史を詳述する。まず5世紀初めのネストリウス(コンスタンティノープル司教)とキュリロス(アレクサンドリア司教)の神人論の対決から。教理の確立するまでの論争が、当時はいすれも信仰者として尊敬されていた当事者間で行われたことが、今では信じがたい。この本では遠隔地でのキリスト教の伝道が詳しい。エチオピア(アラビア半島から海を渡って直ぐ!)、インド、アルメニア、グルジャ(ジョージア)、そしてスペイン、イギリス等。北方のキリスト教化という困難な任務を主に担ったのが、勇敢で忍耐強い修道士と司教だったとは励まされる説明である。イスラムの勃興の中で、北アフリカなどのキリスト教会の苦難が語られる。シリア語がキリスト教会にとって重要な言葉だったとは、今の内戦を知る状態では悲しい限りである。キリスト論の論争が詳しいが、教会の東西分裂について詳しく書かれていないのだけが、やや肩透かしだった。西ローマ帝国の滅亡などと大事件のように書かれるが、実際にはゲルマン人オドアケルとの政治的な駆け引きレベルの話だったとは皮肉な話。
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イエスの誕生と死から千年間の歴史を、ヨーロッパからインドや中国まで、かつてない地理的な広がりのなかで、わかりやすく語る。
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