廓のおんな の商品レビュー
読了。どこの国でも、同じようなシステムがあったのだろうと想像できた。男の欲望からお金が出て経済が回る。今の世の中は少しは、良い方向に進んでいればよいと思った。
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明治30年代、7歳で身売りされ、芸者になった女性の生涯。ご本人に聞き取った話をもとに、かつての金沢の遊郭の世界を丹念に調べている。 華やかな花街の裏で、そこに身を置いた女性たちの悲しみや苦しみがある。かなり聞きにくいと思われる話まで書かれている。 主人公は山口きぬという元芸者...
明治30年代、7歳で身売りされ、芸者になった女性の生涯。ご本人に聞き取った話をもとに、かつての金沢の遊郭の世界を丹念に調べている。 華やかな花街の裏で、そこに身を置いた女性たちの悲しみや苦しみがある。かなり聞きにくいと思われる話まで書かれている。 主人公は山口きぬという元芸者の方である。 売られたときから、修業時代のこと、水揚げのこと、「旦那」との関係など、普通はあまり話したがらないのではないかということまで細かく語られている。
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解説で井上理津子が書いているように,きぬさんからこのような話を聞き出した著者の力量は凄い.明治から大正・昭和にかけての金沢の東の廓の様子が目の前に浮かぶようだ.数年前に現地を訪れたことがあるが,小ぎれいな街並みにリニューアルされているものの,女たちの悲しい現実をカムフラージュでき...
解説で井上理津子が書いているように,きぬさんからこのような話を聞き出した著者の力量は凄い.明治から大正・昭和にかけての金沢の東の廓の様子が目の前に浮かぶようだ.数年前に現地を訪れたことがあるが,小ぎれいな街並みにリニューアルされているものの,女たちの悲しい現実をカムフラージュできないなと感じた.女性の権利という言葉自体がない時代.男たちの世界にも貧富の差が大きかった時代.このような歴史をしっかりと受け止めていく必要を痛感した.
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