徳川家が見た戦争 の商品レビュー
タイトルにひかれて読む。 作者は田安徳川家(御三卿の1)の当主。 勝手に太平洋戦争の話だと思っていたが、江戸時代〜幕末〜太平洋戦争にかけての徳川家のあれこれが焦点だった。 歴史学者ではなく、家の中の人が書いている点に注意。 徳川家に対するウチ意識のある方なので、当然徳川家に対し...
タイトルにひかれて読む。 作者は田安徳川家(御三卿の1)の当主。 勝手に太平洋戦争の話だと思っていたが、江戸時代〜幕末〜太平洋戦争にかけての徳川家のあれこれが焦点だった。 歴史学者ではなく、家の中の人が書いている点に注意。 徳川家に対するウチ意識のある方なので、当然徳川家に対して批判的なことはほぼなし。 幕末の話が面白かったけど、この辺りは他の人の著作から編んで説明しているかんじ。 この方の立場での本、というところに重点をおくなら、ラストの徳川の太平洋戦争における処し方×作者が面識のある数人のミニ伝記が見所。 昭和天皇の侍従長は徳川家の人だったんですね。 尾張藩主の孫だったとか。知らなかった。 著者の持論として、戦争には絶対反対で、かつ、9条だけでは日本は守れないのではないか、日本は侵太平洋戦争をはじめ、対外戦争においては主に侵略した側である意識をもっと持つべき、食糧自給率やエネルギー自給率を上げないと国家としてまたいずれ破綻する、等の意見が書かれていた。 やや古風。 賛成できるところもある。 石川島播磨重工の重役を務めた方らしく、重工業や産業からの視点が重い。 著者の父は戦中も工業家としての軍人だったそうで、その影響もあるんだろうと思った。 冒頭の江田島の海兵学校の話が興味深い。 井上成美のことは今までもちらちら聞いていたけど、一年江田島にいたこの著者がここまで惚れ込むとは、どんなに革新的な学校だったんだろう。 それにしても、この本に絶対要るのは、家系図だよ!! 岩波さん!!
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