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少年と空腹 の商品レビュー

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2022/06/12

オビに曰く「食味随筆」、すなわちグルメエッセイを謳っている本書であるからして、〈ビフテキ〉や〈天丼〉などのご馳走と〈ハナクソ〉が並列しているという由々しき事態。 もちろん、〈ハナクソ〉は食べ物として書かれている訳で、噛み潰し方までが詳細に綴られている。爪のベストな食べ方にも触れら...

オビに曰く「食味随筆」、すなわちグルメエッセイを謳っている本書であるからして、〈ビフテキ〉や〈天丼〉などのご馳走と〈ハナクソ〉が並列しているという由々しき事態。 もちろん、〈ハナクソ〉は食べ物として書かれている訳で、噛み潰し方までが詳細に綴られている。爪のベストな食べ方にも触れられているが、さすがに読んでいてちょっと気分が悪くなりました。 大まかに前半部〈人肉はまだ食べていないけど〉の章は著者少年期〜青年期の本当に金欠だった若かりし頃を、後半〈少年とグルメ〉は割と現在に近しい時期の内容、といった感じ。 言い回しが面白く、コロッケパンのことを「コッペパンの強姦」(p183)と表したり「天丼はお風呂みたい」(p56)と振り返ったり。 アレコレと’これには塩が良い’とか’どこどこ産が良い’とか名店の紹介とかそういった事は全く書かれておらず、どちらかと言えば食事と心象のかかわりだとか昭和三〇〜四〇年代頃の学生の暮らしだとかを垣間見る内容。 1刷 2022.6.12

Posted byブクログ