青を泳ぐ。 の商品レビュー
空の絵を描けといわれて窓という窓を砕いて額縁にする かっこいい...。とんちも効いている。想像させられる風景も破滅的だが爽快で、なんとも綺麗。こういうアイデア勝負の歌って大好きだ。そのほか、 プレアデスの蒼き炎に身を焼けば呼び覚ませるかまっさらな翅 東京は辞書より文字が...
空の絵を描けといわれて窓という窓を砕いて額縁にする かっこいい...。とんちも効いている。想像させられる風景も破滅的だが爽快で、なんとも綺麗。こういうアイデア勝負の歌って大好きだ。そのほか、 プレアデスの蒼き炎に身を焼けば呼び覚ませるかまっさらな翅 東京は辞書より文字がひしめいてなぜ私にも名があるのだろう も、好きだ。上の一首はひとつづきの呪文のように「これがかんぺきだ」と思わされる力ワザっぽいところが強引でいい。下の一首は都会にいるこころもとなさを文字に預けて表現するところが共感できた。 著者も絵を描く人のようだが、私も過去に描いていたことがあるので随所に登場するモチーフに親しみをもてた。全体的に共感できるというところが読みやすさの要だったようにも思う。
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杉谷麻衣 短歌 ざらつきがなくて幼い波の音みなとと呼ばれる校区の海は 保健室の南のまどからだけ見える三時間目の海が好きです 制服の下に君との夏かくし地理の時間は潮風を聴く 晩秋のプールの水の色をした廊下に浮いている下足あと さよならはシンメトリーな水彩画せいいっぱいの卒業をする ...
杉谷麻衣 短歌 ざらつきがなくて幼い波の音みなとと呼ばれる校区の海は 保健室の南のまどからだけ見える三時間目の海が好きです 制服の下に君との夏かくし地理の時間は潮風を聴く 晩秋のプールの水の色をした廊下に浮いている下足あと さよならはシンメトリーな水彩画せいいっぱいの卒業をする 海近き無人の駅に降り立てば錆びたにおいがしそうな夏日 p.11 黒板に班分け除算の…(あまり)1わりきれなさを書く場所がない 返歌 白板に班分け三人づつだから先生二人入れ割り切ろう
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